WordPressのnoindexとは?設定方法・確認手順・注意点を初心者向けに解説

「WordPressサイトの特定ページを検索結果に出したくないんだけど、どうすればいいの?」「noindexっていうのを聞いたけど、設定方法や注意点がよくわからない…」そんな悩みを抱えていませんか?

WordPressサイトを運営していると、低品質なページや重複コンテンツが検索エンジンに評価され、サイト全体のSEO評価を下げてしまうことがあります。

こんにちは! WordPress専門のWeb制作者として、これまで500件以上のホームページ制作に携わり、大手クラウドソーシングでも上位ランカーとして活動してきた私が、WordPressにおけるnoindexの基本的な意味から、初心者でも安全・確実に設定できる方法、どんなページに設定すべきか、そして設定後の確認方法やトラブルシューティングまで、私の経験を踏まえながら網羅的に解説します。

この記事を読めば、noindex を正しく理解・活用し、あなたのWordPressサイトのSEO評価を高める第一歩を踏み出せるはずです。

WordPressのnoindexとは?SEOにおける基本的な意味と役割を理解しよう

WordPressサイトを運営していると、「この記事はまだ公開したくない」「このページは検索結果に表示させたくない」といった場面が出てきます。そんな時に役立つのがnoindex(ノーインデックス)です。まずは、このnoindexが一体何なのか、そしてなぜSEO(検索エンジン最適化)において重要なのかを理解しましょう。

noindexを一言でいうと?「検索結果に表示させない」ためのメタタグ

noindexとは、特定のWebページをGoogleなどの検索エンジンの検索結果に表示させないようにするための指示(メタタグ)です。HTMLファイルの<head>セクション内に以下のような記述を追加することで、検索エンジンに対して「このページはインデックス(データベースへの登録)しないでください」と伝えることができます。

HTML

<meta name="robots" content="noindex">

このタグが設置されたページを検索エンジンが見つけると、そのページを検索結果データベースから除外するか、新たに登録しないように処理します。

なぜnoindex設定が必要?SEOにおける重要性

では、なぜわざわざ検索結果に表示させないようにする必要があるのでしょうか? それには、主に以下のようなSEO上の理由があります。

低品質ページの評価拡散を防ぐ

サイト内には、どうしても内容が薄いページや、ユーザーにとって価値の低いページ(例: 自動生成されたタグページ、中身のないアーカイブページなど)が存在することがあります。これらの低品質なページが検索エンジンにインデックスされてしまうと、サイト全体の評価を下げてしまう可能性があります。noindexを設定することで、こうしたページを検索エンジンの評価対象から除外し、重要なページに評価を集中させることができます。

重複コンテンツ問題を回避する

意図せず同じような内容のページが複数存在してしまうことがあります。例えば、印刷用のページや、パラメータが異なるだけで内容は同じURLなどです。これらは検索エンジンから「重複コンテンツ」とみなされ、ペナルティを受けるリスクがあります。主要なページ以外にnoindexを設定することで、重複コンテンツ問題を回避し、正規のページを正しく評価してもらう助けになります。

クロールバジェットを効率的に使う

検索エンジンは、サイトを巡回(クロール)して情報を収集しますが、一つのサイトに対して無限に時間をかけられるわけではありません。この巡回リソースのことを「クロールバジェット」と呼びます。価値の低いページやインデックスさせる必要のないページにnoindexを設定しておけば、検索エンジンはそれらのページをクロールする頻度を下げ(あるいはインデックス対象から外し)、本当に評価してほしい重要なページ(新しい記事や主力コンテンツなど)のクロールを優先してくれるようになります。結果として、サイト全体のインデックス効率が向上します。

noindexと混同しやすい記述との違い

noindexと似たような役割を持つ、あるいは混同されやすい他の記述についても理解しておきましょう。

robots.txt(クロール制御)との違いと使い分け

robots.txtは、サイトのルートディレクトリに設置するファイルで、検索エンジンのクローラーに対して「どのファイルやディレクトリにアクセスして良いか(あるいはしないで欲しいか)」を指示するものです。

  • robots.txt: クロール(アクセス)自体を制御する。Disallow:で指定されたページは、基本的にクローラーがアクセスしなくなります。
  • noindex: クロールは許可するが、インデックス(検索結果への登録)を制御する。

使い分けのポイント:

  • インデックスさせたくないが、クロールはされても良いページ(または既にインデックスされているページを削除したい場合): noindexを使用します。robots.txtでブロックしてしまうと、noindexタグをクローラーが読み取れず、インデックスから削除されない可能性があります。
  • サーバーリソースの消費を抑えたい、機密性の高い情報など、クロール自体を避けたいページ: robots.txtDisallow:を使用します。(ただし、他のサイトからリンクされている場合など、URL自体がインデックスされる可能性はゼロではありません。)
  • SEOの観点から低品質ページなどを評価対象外にしたい場合: noindexが適しています。

nofollow(リンク評価の伝達制御)との違い

nofollowは、ページ内のリンクに対して設定する属性値で、「このリンク先のページに評価(リンクジュース)を渡さないでください」と検索エンジンに伝えるものです。ページ自体をインデックスさせないnoindexとは役割が全く異なります。

  • noindex: ページ自体をインデックスさせない。
  • nofollow: ページ内の特定のリンク(またはページ全体のリンク)からの評価の受け渡しを制御する。

例えば、信頼性の低いサイトへのリンクや広告リンクなどにrel="nofollow"属性を付与することがあります。

noindexnofollowを同時に指定することも可能です (<meta name="robots" content="noindex, nofollow">)。これは、「このページをインデックスせず、さらにこのページ内のリンクも辿らないで(評価を渡さないで)」という意味になります。

これらの違いをしっかり理解しておくことが、適切なSEO施策を行う上で非常に重要です。

【初心者向け】WordPressでnoindexを設定する主な方法

noindexの重要性がわかったところで、次はWordPressで実際に設定する方法を見ていきましょう。初心者の方には、安全で簡単なSEOプラグインの利用を強く推奨しますが、参考として手動設定についても解説します。

方法1:SEOプラグインを利用する(強く推奨)

WordPressでnoindexを設定する最も簡単で安全な方法は、SEOプラグインを利用することです。多くの人気SEOプラグインには、投稿や固定ページ、カテゴリー、タグなどの単位で簡単にnoindexを設定できる機能が備わっています。コードを直接編集する必要がないため、特に初心者の方や、サイト運営に集中したい方には、この方法を強く推奨します。

私自身、クライアントのサイト制作時には、特別な理由がない限りSEOプラグインの導入を推奨しています。設定ミスによるリスクを最小限に抑えられますし、noindex以外にも様々なSEO設定を一元管理できるメリットが大きいからです。

人気プラグイン別設定手順

ここでは、代表的なSEOプラグインである「Yoast SEO」「All in One SEO (AIOSEO)」での設定例を紹介します。(※プラグインのバージョンやアップデートによりUIが変更される可能性があります。最新の情報は各プラグインの公式サイトやドキュメントもご確認ください。

Yoast SEOでの設定方法
  1. 投稿・固定ページごと: 編集画面の下部にある「Yoast SEO」メタボックス内の「高度な設定」タブを開きます。「検索エンジンにこの投稿(または固定ページ)のインデックスを許可しますか?」の項目で「いいえ」を選択し、保存(更新)します。
  2. カテゴリー・タグなど(全体設定): WordPress管理画面の「SEO」>「検索での見え方」>「タクソノミー」(またはコンテンツタイプ)タブを開きます。カテゴリーやタグごとに「検索結果に表示しますか?」を「いいえ」に設定し、「変更を保存」します。
All in One SEO (AIOSEO)での設定方法
  1. 投稿・固定ページごと: 編集画面の下部(またはサイドバー)にある「AIOSEO 設定」>「高度な設定」タブを開きます。「Robots 設定」の「デフォルト設定を使用」のチェックを外し、「No Index」にチェックを入れて保存(更新)します。
  2. カテゴリー・タグなど(全体設定): WordPress管理画面の「All in One SEO」>「検索の外観」>「タクソノミー」(またはコンテンツタイプ)タブを開きます。カテゴリーやタグのセクションで「検索結果に表示」を「いいえ」にして「変更を保存」します。
SWELLなどテーマ独自のSEO機能での設定方法(補足)

一部の高機能なWordPressテーマ(例: SWELL)には、独自のSEO設定機能が含まれており、プラグインなしでnoindex設定ができる場合があります。お使いのテーマのマニュアル等をご確認ください。ただし、一般的には専用のSEOプラグインの方が機能が豊富で、管理もしやすいことが多いです。

プラグイン利用のメリット・デメリット

  • メリット:
    • コード編集不要で初心者でも非常に簡単・安全。
    • 設定箇所が分かりやすく管理しやすい。
    • noindex以外のSEO設定も一括で管理できる。
    • アップデートで最新の仕様に対応しやすい。
  • デメリット:
    • プラグインを導入・有効化する必要がある(サイトがわずかに重くなる可能性)。
    • プラグインによっては多機能すぎて混乱する場合がある。
    • 非常に細かい条件分岐での設定は難しい場合がある。

方法2:テーマファイル(header.php)を編集して手動で設定する(非推奨・上級者向け)

プラグインを使わずに、テーマファイルを直接編集してnoindexタグを埋め込む方法もあります。特定の条件に合わせて柔軟に設定できますが、PHPコードの知識が必須であり、編集ミスはサイト表示に致命的な影響を与える非常に高いリスクがあります。 したがって、初心者の方やコードに不慣れな方には、この方法は強く推奨しません。 行う場合は、必ず以下の準備と注意点を守り、自己責任で慎重に行ってください。

事前準備:子テーマの利用とバックアップ(必須)

テーマファイルを直接編集する場合、必ず子テーマを作成し、子テーマ内のファイルを編集してください。 親テーマのファイルを直接編集すると、テーマのアップデート時に変更内容が上書きされて消えてしまいます。また、作業前には必ずサイト全体のバックアップ(ファイルとデータベースの両方)を取得してください。

条件分岐を使った具体的なコード例

子テーマのheader.phpファイルの<head>セクション内に、PHPの条件分岐タグを使ってnoindexメタタグを出力します。以下は記述例です。

PHP

<?php
// 特定の固定ページ(IDが 10 と 15)をnoindexにする場合
if ( is_page( array( 10, 15 ) ) ) {
    echo '<meta name="robots" content="noindex,follow" />' . "\n";
}

// カテゴリーページ(カテゴリースラッグが 'news')をnoindexにする場合
if ( is_category( 'news' ) ) {
    echo '<meta name="robots" content="noindex,follow" />' . "\n";
}

// タグアーカイブページ全体をnoindexにする場合
if ( is_tag() ) {
    echo '<meta name="robots" content="noindex,follow" />' . "\n";
}

// 投稿者アーカイブページ全体をnoindexにする場合
if ( is_author() ) {
    echo '<meta name="robots" content="noindex,follow" />' . "\n";
}

// 日付アーカイブページ全体をnoindexにする場合
if ( is_date() ) {
    echo '<meta name="robots" content="noindex,follow" />' . "\n";
}

// 検索結果ページをnoindexにする場合
if ( is_search() ) {
    echo '<meta name="robots" content="noindex,follow" />' . "\n";
}

// 404エラーページをnoindexにする場合
if ( is_404() ) {
    echo '<meta name="robots" content="noindex,follow" />' . "\n";
}
?>

上記のコードはあくまで例です。WordPressには様々な条件分岐タグ(Conditional Tags)が用意されているので、適用したい条件に合わせて適切なタグを使用してください。(参考: WordPress Codex – Conditional Tags)

content="noindex,follow" について: 上記例では content="noindex,follow" としています。これは「インデックスはしないでほしいが、ページ内のリンクは辿って評価してほしい」という意味です。もしリンクも辿らせたくない場合は content="noindex,nofollow" とします。一般的には noindex,follow で問題ないケースが多いです。

手動設定のメリット・デメリットと注意点

  • メリット:
    • プラグイン不要でサイトを軽量に保てる可能性がある。
    • 非常に細かい、独自の条件でnoindexを設定できる。
  • デメリット:
    • PHPの知識が必須で、初心者には極めて難易度が高い。
    • コードの記述ミスがサイト全体の表示エラーや致命的な問題に直結するリスクが非常に高い。
    • テーマ変更時に再設定が必要になる場合がある。
    • 設定箇所が分散し、管理が煩雑になる可能性がある。
  • 注意点(厳守):
    • 必ず子テーマを使用する。
    • 作業前には必ずバックアップを取る。
    • PHPの構文エラーがないか、細心の注意を払って確認する。
    • 設定後は意図通りにタグが出力されているか、複数のページでソースコードを必ず確認する。

方法3:functions.phpを利用して設定する(非推奨・上級者向け)

header.phpを直接編集する代わりに、子テーマのfunctions.phpファイルにアクションフック(wp_head)を使ってnoindexタグを出力する方法もあります。こちらもPHPの知識が必要で、コードの管理という点ではheader.phpより推奨される場合もありますが、基本的な考え方やリスクはheader.php編集と同様です。 サイト全体に影響を及ぼすファイルを編集するため、こちらも上級者向けの方法であり、初心者の方には強く推奨しません。

functions.phpでの設定例

子テーマのfunctions.phpに以下のようなコードを追記します。

PHP

<?php
function my_add_noindex_tag() {
    // is_admin() は管理画面を除外するために記述
    if ( !is_admin() ) {
        // 特定の固定ページ(IDが 10 と 15)をnoindexにする場合
        if ( is_page( array( 10, 15 ) ) ) {
            echo '<meta name="robots" content="noindex,follow" />' . "\n";
        }
        // カテゴリーページ(カテゴリースラッグが 'news')をnoindexにする場合
        if ( is_category( 'news' ) ) {
            echo '<meta name="robots" content="noindex,follow" />' . "\n";
        }
        // タグアーカイブページ全体をnoindexにする場合
        if ( is_tag() ) {
            echo '<meta name="robots" content="noindex,follow" />' . "\n";
        }
        // 他の条件も同様に追加可能 ...
    }
}
add_action( 'wp_head', 'my_add_noindex_tag' );
?>

(関数名は他のプラグインやテーマと重複しないように、 my_ などを付けることが推奨されます)

functions.php利用時の注意点

header.php編集時と同様、子テーマの使用、バックアップ、コードの正確性、動作確認が不可欠です。記述ミスはサイト全体に影響を及ぼす可能性があります。

結論として、ほとんどのWordPressユーザー、特に初心者の方にとっては、SEOプラグインを利用するのが圧倒的に安全で、簡単かつ効率的な方法です。 手動設定は、プラグインでは実現できない非常に特殊な要件があり、かつPHPとWordPressの仕組みを深く理解している場合にのみ、細心の注意を払って検討すべき選択肢と言えます。

どんなページにnoindexを設定すべき?具体的なケースと判断基準

noindexの設定方法がわかったら、次に重要なのは「どのページに設定すべきか」を正しく判断することです。むやみにnoindexを設定すると、本来インデックスされるべき重要なページまで検索結果から除外してしまい、アクセスを失うことになりかねません。ここでは、一般的にnoindexが推奨されるページ、慎重に判断すべきページ、そして絶対に設定してはいけないページについて解説します。

一般的にnoindexが推奨されるページの例

以下のページは、多くの場合、ユーザーにとって価値が低いか、サイト全体のSEO評価に貢献しにくいため、noindexを設定することが推奨されます。

  • タグページ、投稿者アーカイブページ: 記事数が増えると大量に生成されますが、個々のタグページや投稿者ページ自体の内容が薄く、他の記事と重複しやすい傾向があります。特にタグを細かく設定しすぎている場合、低品質ページの大量生産につながるためnoindexが推奨されます。ただし、タグを戦略的に使い、各タグページが独自の価値を持つように作り込んでいる場合は、インデックスさせる選択肢もあります。
  • 検索結果ページ、404エラーページ: サイト内検索の結果ページや、ページが見つからなかった場合に表示される404ページは、その性質上、検索エンジンにインデックスさせる必要はありません。
  • 内容の薄いアーカイブページ(月別など): 記事一覧が表示されるだけの月別アーカイブなどは、ユーザービリティの観点からは必要かもしれませんが、SEO的には価値が低いことが多いです。noindexを検討しましょう。
  • サンクスページ、完了ページ: お問い合わせフォーム送信後や、商品購入後に表示される「ありがとうございました」といったページは、特定のユーザーアクション後に表示されるものであり、検索結果に表示させる必要はありません。コンバージョン計測などの目的で存在しますが、noindexが適切です。
  • テスト環境・下書き段階のページ: 一般公開前のテスト用ページや、まだ編集中で内容が不完全な下書きページが誤ってインデックスされないように、noindexを設定しておくか、BASIC認証などでアクセス制限をかけるのが安全です。
  • その他(PDFファイル、サイト内検索結果など): コンテンツとして重要度の低いPDFファイルや、動的に生成されるサイト内検索結果なども、noindexの対象となることがあります。

noindexにすべきか慎重に判断すべきページ

以下のページについては、サイトの構造や戦略によってnoindexにするかどうかの判断が分かれます。一律に決めるのではなく、慎重に検討しましょう。

  • カテゴリーページ: カテゴリーページは、関連する記事をまとめるハブページとして、ユーザーにとっても検索エンジンにとっても重要な役割を果たすことがあります。各カテゴリーページに独自の解説文を追加したり、構造化したりして価値を高めている場合は、インデックスさせるべきです。しかし、単に記事がリストされているだけで内容が薄い場合は、noindexを検討する余地があります。多くのサイトでは、カテゴリーページはインデックスさせることが多いです。
  • 重要な固定ページ(プライバシーポリシー、お問い合わせなど): プライバシーポリシーや特定商取引法に基づく表記、お問い合わせページなどは、サイトの信頼性を示す上で重要なページです。通常はインデックスさせますが、サイトの構成によっては(例えば、フッターリンクからのみアクセス可能で、直接的な集客を目的としない場合など)、noindexにすることも考えられます。ただし、安易にnoindexにするのは避けましょう。

絶対にnoindexにしてはいけないページ

以下のページに誤ってnoindexを設定してしまうと、サイトへのアクセスが激減するなどの深刻な問題が発生します。絶対に設定しないでください。

  • トップページ: サイトの顔であるトップページをnoindexにすると、サイト全体が検索結果に表示されにくくなる可能性があります。
  • SEOで上位表示させたい主要な記事・固定ページ: 集客の要となる重要なコンテンツページ(ブログ記事、サービス紹介ページ、商品ページなど)にnoindexを設定してはいけません。

【経験談】制作実績500件以上で見えてきたnoindex設定の勘所

WordPressサイト制作の現場で様々なサイトを見てきた経験から言えるのは、「サイトの目的とコンテンツの質によって、noindexの最適な戦略は異なる」ということです。

例えば、小規模なコーポレートサイトであれば、タグページやアーカイブページは積極的にnoindexにして、評価を主要な固定ページに集中させるのが効果的な場合があります。一方、大規模なブログメディアで、カテゴリーやタグがユーザーの回遊や情報発見に大きく貢献している場合は、これらのページも作り込んでインデックスさせる戦略が有効です。

また、意外な落とし穴として、テーマやプラグインのデフォルト設定で意図せずnoindexになっているケースも時々見られます。特にサイトリニューアル時や新しいプラグイン導入時には、設定をよく確認することが重要です。

迷ったときは、「このページは、検索結果から直接アクセスしてきたユーザーにとって価値があるか?」という視点で考えてみてください。その答えが「No」であれば、noindexを検討する価値があるでしょう。

WordPressでnoindexが正しく設定されているか確認する方法

noindexを設定したら、それが意図した通りに機能しているかを確認することが非常に重要です。確認を怠ると、インデックスさせたいページが除外されたり、逆に除外したいページがインデックスされ続けたりする可能性があります。主な確認方法は以下の2つです。

方法1:ブラウザのデベロッパーツールでソースコードを確認する

最も直接的で確実な方法は、対象ページのHTMLソースコードを確認することです。

具体的な確認手順(Chrome, Firefox, Edgeなど)

  1. 確認したいページをブラウザで開きます。
  2. ページ上の何もないところを右クリックし、「ページのソースを表示」(または「ソースを表示」「要素を調査」「検証」など)を選択します。あるいは、キーボードショートカット(Windowsなら Ctrl + U、Macなら Command + Option + U など)を使います。
  3. 表示されたソースコード(HTML)の中から、<head>セクション(通常はページの先頭付近)を探します。
  4. <head>セクション内に、以下のような noindex を含むメタタグがあるかどうかを確認します。

noindexメタタグの記述例

HTML

<meta name="robots" content="noindex">
<meta name="robots" content="noindex,follow">
<meta name="googlebot" content="noindex">

この記述があれば、noindexが正しく設定(出力)されています。逆に、この記述がない、あるいは content="index"content="index,follow" となっていれば、そのページはインデックス対象となります。

注意点: SEOプラグインによっては、X-Robots-TagというHTTPヘッダーでnoindexを出力する場合もあります。より高度な確認方法ですが、通常はHTMLソース内のメタタグ確認で十分です。

方法2:Google Search Console(サーチコンソール)で確認する

Google Search Consoleは、Google検索におけるサイトのパフォーマンスを監視・管理するための無料ツールです。noindex設定の状況を確認する上でも非常に役立ちます。

「インデックス作成」>「ページ」レポートの見方

  1. Google Search Consoleにログインし、対象のプロパティを選択します。
  2. 左側のメニューから「インデックス作成」>「ページ」をクリックします。
  3. レポート内の「ページがインデックスに登録されなかった理由」セクションを確認します。ここに「noindex タグによって除外されました」という項目があれば、そのURLがnoindexによってインデックスされていないことを示します。クリックすると、該当するURLのリストを確認できます。

URL検査ツールの活用

特定のURLがnoindexによってインデックスされていないか、より詳細に確認したい場合は、「URL検査」ツールを使います。

  1. Search Consoleの上部にある検索バーに、確認したいページのURLを入力し、Enterキーを押します。
  2. 検査結果が表示されます。「ページのインデックス登録」セクション(または「公開URLがGoogleに登録されていません」などの表示)を確認します。
  3. インデックスされていない理由として「noindex タグによって除外されました」と表示されていれば、Googleがそのページのnoindexタグを認識している証拠です。
  4. ここで注意が必要なのは、「インデックス登録をリクエスト」ボタンの扱いです。このボタンは、noindexタグを削除して、ページをインデックスさせたい場合にクリックします。 noindexを維持したい場合は、このボタンを押す必要はありません。

Search Consoleでの確認は、Googleが実際にどのようにページを認識しているかを知る上で重要ですが、反映には時間がかかる場合があります。設定直後は、まずブラウザのソースコードで確認するのが確実です。

noindex設定に関するよくある質問とトラブルシューティング

noindex設定は便利ですが、時に予期せぬ問題が発生したり、疑問が生じたりすることもあります。ここでは、よくある質問とその対処法について解説します。

Q1. noindexを設定したのにインデックスされ続けるのはなぜ?

noindexタグを設定したにも関わらず、Googleの検索結果にページが表示され続ける場合があります。考えられる原因と対処法は以下の通りです。

原因1:設定が間違っている

  • メタタグの記述ミス(スペルミス、content属性の値が違うなど)。
  • SEOプラグインの設定が正しく保存されていない。
  • 手動設定の場合、コードの記述場所や条件分岐が間違っている。

対処法: まずはブラウザのソースコードを確認し、noindexタグが正しく出力されているか再確認してください。プラグインの設定画面や編集したコードも見直しましょう。

原因2:Googleがまだ再クロールしていない

noindexタグを設定しても、Googleのクローラーがそのページを再訪し、タグを認識するまではインデックスから除外されません。サイトの規模やページの重要度によって、再クロールされるまでの時間は異なります。

対処法: しばらく待ってみましょう。数日から数週間かかることもあります。Googleが自然に再クロールし、noindexタグを認識するのを待ちます。(前述の通り、Search Consoleの「インデックス登録をリクエスト」は、このケースでは使用しません。)

原因3:robots.txtでクロールを拒否している

robots.txtファイルで該当ページのURL(またはディレクトリ)をDisallow:で指定していると、クローラーはそのページにアクセスできません。そのため、ページに設置されたnoindexタグを読み取ることができず、結果としてインデックスされたままになってしまうことがあります。

対処法: noindexを設定したいページのクロールがrobots.txtでブロックされていないか確認してください。もしブロックされている場合は、robots.txtの該当行を削除または修正し、クローラーがアクセスできるようにする必要があります。

フリーランスとして様々なサイトのトラブルシューティングを行う中で、このrobots.txtnoindexの組み合わせによる問題は意外とよく見かけます。両者の役割を正しく理解しておくことが重要です。

Q2. 意図しないページがnoindexになっている場合は?

重要なページ(トップページや主要記事など)が意図せずnoindexになっていて、検索結果に表示されないケースです。

原因:プラグインやテーマのデフォルト設定、手動設定のミス

  • SEOプラグインやテーマの初期設定で、特定のページタイプ(例: メディアページ、アーカイブページなど)がデフォルトでnoindexになっている。
  • 誤って重要なページにnoindexを設定してしまった。
  • 手動設定時に、条件分岐の記述を間違えた。

対処法:設定箇所を特定し修正、Search Consoleで確認

まずはブラウザのソースコードでnoindexタグが出力されていることを確認します。その後、SEOプラグインの設定、テーマの設定、手動設定を行ったファイル(header.phpfunctions.phpなど)を確認し、noindex設定を解除(またはindexに変更)してください。修正後、Search ConsoleのURL検査ツールで該当URLを検査し、「インデックス登録をリクエスト」して、Googleにページの再評価を促しましょう。

Q3. noindex設定はどれくらいで反映される?

noindexタグを設置(または削除)してから、それがGoogleの検索結果に反映されるまでの時間は、一概には言えません。

目安と影響する要因

早ければ数日、場合によっては数週間以上かかることもあります。反映速度は、以下のような要因に影響されます。

  • サイトのクロール頻度: Googleがサイトをどれくらいの頻度でクロールしているか。更新頻度が高く、評価の高いサイトほど早く反映される傾向があります。
  • ページの重要度: サイト内でのページの重要度。重要なページほどクロールされやすいです。
  • Google側の処理状況: Googleのシステム側の都合もあります。

気長に待つことも必要ですが、1ヶ月以上経っても反映されない場合は、設定ミスやrobots.txtでのブロックなど、他の原因がないか再確認しましょう。

Q4. 一度noindexにしたページのインデックスを解除(再インデックス)するには?

以前noindexに設定していたページを、やはり検索結果に表示させたい(インデックスさせたい)場合の手順です。

noindexタグの削除

まず、該当ページに設定されているnoindexタグを削除します。

  • SEOプラグインで設定した場合は、プラグインの設定画面でnoindexを解除(またはindexに設定)します。
  • 手動で設定した場合は、テーマファイル(header.phpfunctions.php)内の該当コードを削除または修正します。

Search Consoleでのインデックス登録リクエスト

noindexタグを削除した後、Google Search ConsoleのURL検査ツールで該当URLを検査し、「インデックス登録をリクエスト」をクリックします。これにより、Googleに対してページの再クロールとインデックス登録を促すことができます。ただし、リクエストしてもすぐにインデックスされるとは限りません。

Q5. サイト全体をnoindexにしたい場合は?(開発中など)

Webサイトを開発中であったり、大幅なリニューアル中で一般公開したくない場合など、一時的にサイト全体を検索エンジンの対象外にしたいことがあります。

WordPressの「表示設定」を使う方法

WordPressの管理画面には、サイト全体をインデックスさせないようにする簡単な設定があります。

  1. 管理画面の「設定」>「表示設定」を開きます。
  2. 「検索エンジンでの表示」の項目にある「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」にチェックを入れます。
  3. 「変更を保存」します。

これにより、WordPressがサイト全体のすべてのページにnoindexメタタグを出力するようになります。ただし、これはあくまで検索エンジンに対する「お願い」であり、完全にインデックスを防ぐ保証はありません。

【超重要】公開時には必ずこのチェックを外してください! このチェックを外し忘れると、サイト全体が検索結果に表示されなくなり、アクセスが激減します。 制作実績の中でも、このチェックの外し忘れによるトラブルは後を絶ちません。サイト公開時には、必ずこの設定を確認し、チェックを外すことを絶対に忘れないでください。

BASIC認証など他の方法との比較

より確実に検索エンジンや第三者からのアクセスを防ぎたい場合は、noindex設定と併せて、サーバー側でBASIC認証などのパスワード保護を設定するのが最も確実です。BASIC認証を設定すれば、正しいIDとパスワードを知らない限り、検索エンジンも人間もサイトにアクセスできなくなります。

開発中や非公開サイトには、noindex設定(WordPressの表示設定)とBASIC認証の併用が最も安全な方法と言えるでしょう。

まとめ

この記事では、WordPressサイトにおけるnoindexの基本的な意味から、SEOにおける重要性、具体的な設定方法(強く推奨するSEOプラグイン利用、非推奨の上級者向け手動設定)、適用すべきページの判断基準、設定確認方法、そしてよくあるトラブルシューティングまで、網羅的に解説してきました。

noindexは、適切に活用すれば、サイトの低品質なページや重複コンテンツによる悪影響を防ぎ、重要なページに評価を集中させることで、SEO効果を高める強力な武器になります。しかし、設定を誤ると、本来アクセスを集めるべきページまで検索結果から消えてしまうリスクも伴います。

特に初心者の方やコードに不慣れな方は、安全かつ簡単なSEOプラグインを利用して設定を行い、どのページに適用すべきかを慎重に判断することが大切です。「このページは検索ユーザーにとって価値があるか?」という視点を常に持ち、設定後は必ずソースコードやSearch Consoleで意図通りに反映されているかを確認する習慣をつけましょう。

この記事を書いた人