【初心者向け】WordPressの仕組みとは?サイトが表示される基本を徹底解説

「WordPressで自分のウェブサイトやブログを作ってみたいけど、なんだか難しそう…」「WordPressってよく聞くけど、一体どういう仕組みで動いているの?」そんな疑問をお持ちではありませんか?WordPressは世界中で最も利用されている非常に便利なツールですが、その裏側の仕組みを少し知っておくだけで、サイト運営がぐっとスムーズになり、トラブルにも強くなります。

この記事では、WordPressサイト制作実績500件以上、多くの初心者の方のサイト立ち上げと活用をサポートしてきた経験豊富なWeb制作者が、WordPressの仕組みについて、専門用語を避けつつ、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。

この記事を読めば、WordPressがどのようにウェブサイトを表示しているのか、その基本的な仕組みから主要な構成要素の役割まで理解でき、安心してWordPressを始められるようになります。

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この記事を書いた人

Webデザイナー・Webコンサルタント
Web制作会社、Web担当者を経て独立。16年以上の実務経験で培った制作スキルとSEOノウハウを活かし、現在はSTARRY代表としてWordPressサイト制作・運用サポートを提供。ランサーズ認定ランサー。ランキング上位受賞多数。

目次

WordPressとは?まずはおさらい

WordPressの仕組みを理解する前に、まずはWordPressがどのようなものなのか、基本をおさらいしておきましょう。すでにご存知の方も、改めて確認することで理解が深まります。

≫WordPressとは?わかりやすく仕組み・できること・始め方を徹底解説!

世界中で最も使われているCMS

WordPress(ワードプレス)は、世界で最も広く利用されているCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)です。CMSとは、ウェブサイトのコンテンツ(テキスト、画像、動画など)を管理・更新するためのシステムのこと。専門的なプログラミング知識がなくても、ブログ記事を書くような感覚でウェブサイトの作成や更新ができるのが大きな特徴です。

世界のウェブサイトの約4割以上がWordPressで作られていると言われており(W3Techsなどの調査データ参照)、そのシェアは圧倒的です。個人ブログから企業のコーポレートサイト、オンラインストア(ECサイト)まで、様々な種類のウェブサイトがWordPressで作られています。

WordPressでできること(ブログ、企業サイト、ECサイトなど)

WordPressの魅力は、その汎用性の高さにあります。 例えば、ブログとしての利用はもちろん、記事の投稿・管理機能が非常に充実しています。 また、お知らせ更新機能やお問い合わせフォームなどを備えた、信頼感のある企業のコーポレートサイトも構築できますし、デザインの自由度も高いです。 制作者やデザイナーが自身の作品を紹介するポートフォリオサイトも簡単に作成できます。 さらに、WooCommerce(ウーコマース)などのプラグインを使えば、本格的なネットショップを開設・運営することも可能です。 これら以外にも、会員制サイト、予約サイト、フォーラムサイトなど、アイデア次第で様々な用途に活用できます。テーマやプラグインを組み合わせることで、実現できることの幅は無限に広がります。

なぜWordPressの仕組みを知るべきなのか?

「専門知識がなくても使えるのがWordPressのメリットなんでしょ?仕組みなんて知らなくてもいいんじゃない?」と思われるかもしれません。確かに、基本的な使い方であれば、仕組みを知らなくてもサイトを作ることは可能です。

しかし、仕組みを理解することで、様々なメリットがあります。 例えば、サイトが表示されなくなったり、エラーが出たりした際に、原因を推測しやすくなり、適切な対処ができるようになります。これはトラブルに強くなるということです。 また、デザインを少し変えたい、特定の機能を追加したいと思ったときに、どこをどう変更すれば良いのかが分かりやすくなり、カスタマイズがしやすくなります。 さらに、なぜアップデートが必要なのか、どのような点に気をつけるべきなのかが分かり、より安全にサイトを運営できるようになるため、セキュリティ意識が高まります。 そして、仕組みを知ることで、無駄な設定や操作を避け、サイトのパフォーマンスを最適化することにも繋がり、より効率的にサイトを運営できるようになります。

特に、これからWordPressで本格的にサイトを運営していきたいと考えている初心者の方にとって、基本的な仕組みの理解は、後々のサイト運営をスムーズにするための重要な土台となります。私自身、500件以上の制作経験の中で、仕組みを理解されているお客様の方が、より主体的にサイトを活用し、成果を出されているケースが多いと感じています。

ウェブサイトが表示される基本の仕組み(WordPress登場前)

WordPressの仕組みを理解するために、まずは一般的なウェブサイトがどのように表示されるのか、その基本的な流れを知っておきましょう。これはインターネットの基本的な仕組みでもあります。

私たちが普段ウェブサイトを見る流れ

皆さんがパソコンやスマートフォンでブラウザ(Google Chrome, Safari, Firefoxなど)を開き、ウェブサイトのアドレス(URL)を入力してEnterキーを押すと、画面にウェブサイトが表示されますよね。この裏側では、以下のようなステップでやり取りが行われています。

ブラウザがサーバーにリクエストを送る

まず、あなたのブラウザが、指定されたURLの情報を「見せてください!」というリクエストを、インターネットを通じて送ります。

DNSサーバーがIPアドレスを教える

次に、DNS(ドメイン・ネーム・システム)サーバーが登場します。URLは人間には分かりやすい「名前」(例: google.com)ですが、コンピューターは数字の羅列である「IPアドレス」(例: 172.217.175.46)で通信相手を特定します。DNSサーバーは、URL(ドメイン名)とIPアドレスを結びつける電話帳のような役割を持っており、ブラウザからの問い合わせに対して、目的のウェブサイトのデータが置いてあるコンピューター(サーバー)のIPアドレスを教えます。

WebサーバーがHTMLファイルを返す

IPアドレスが分かったブラウザは、そのIPアドレスを持つWebサーバー(ウェブサーバー)に改めて「このページのデータ(ファイル)をください!」とリクエストを送ります。Webサーバーは、リクエストされたページのデータ(主にHTMLファイルや画像ファイルなど)を探し出し、ブラウザに送り返します。この応答をレスポンスと呼びます。

ブラウザがHTMLを解釈して表示する

最後に、Webサーバーから送られてきたHTMLファイルを受け取ったブラウザが、その内容を解釈します。HTMLはウェブページの構造(見出し、段落、リストなど)を指定する言語です。ブラウザはHTMLの指示に従って文字や画像を配置し、CSS(スタイルシート)があればデザインを適用し、最終的に私たちが目にするウェブページの形に組み立てて表示します。

これが、ウェブサイトが表示される基本的な流れです。

静的サイトと動的サイトの違い

ここで、ウェブサイトの種類について少し触れておきます。「静的サイト」と「動的サイト」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

HTMLだけで作られた静的サイト

静的サイトは、あらかじめ作成されたHTMLファイルがサーバーに置いてあり、リクエストがあるたびにそのHTMLファイルをそのままブラウザに返すタイプのウェブサイトです。ページの見た目は常に同じで、内容を変更するにはHTMLファイルを直接編集する必要があります。シンプルな会社案内ページや、更新頻度の低い告知ページなどがこれにあたります。表示速度が速いというメリットがありますが、ページごとにHTMLを作成する必要があり、更新の手間がかかります。

プログラムが都度ページを生成する動的サイト

一方、動的サイトは、ユーザーからのリクエストがあるたびに、サーバー上でプログラムが動作し、データベースなどから必要な情報を取得して、その場でHTMLを生成してブラウザに返すタイプのウェブサイトです。WordPressはこちらの動的サイトに分類されます。

動的サイトのメリットは、同じデザインのテンプレートを使い回して大量のページ(例えばブログ記事)を効率的に生成したり、ユーザーごとに表示内容を変えたりできる点です。ログイン機能や検索機能、ショッピングカート機能なども動的サイトならではの機能です。デメリットとしては、静的サイトに比べて表示に少し時間がかかる場合があることや、サーバー側でプログラムを実行するための環境が必要になることが挙げられます。

WordPressサイトが表示される仕組み【初心者向け図解イメージ】

さて、いよいよ本題のWordPressサイトが表示される仕組みです。先ほどの基本的なウェブサイト表示の流れと、動的サイトの特徴を踏まえると理解しやすくなります。

WordPressは動的サイトの代表例

前述の通り、WordPressは動的サイトを生成するためのシステムです。ユーザーがWordPressサイトにアクセスするたびに、サーバー側で様々な処理が行われ、最終的にHTMLが生成されてブラウザに送られます。

(ここに、WordPressサイトが表示される流れを示すシンプルな図解を入れると非常に分かりやすくなります。例:ユーザー → ブラウザ → インターネット → Webサーバー(PHP実行) → データベース → Webサーバー(HTML生成)→ インターネット → ブラウザ → ユーザー)

WordPressサイトが表示される流れ

WordPressサイトが表示される具体的な流れを、もう少し詳しく見ていきましょう。

ユーザーがアクセス(リクエスト)

あなたがブラウザでWordPressサイトのURLにアクセスします。ブラウザはDNSサーバーに問い合わせてIPアドレスを取得し、そのIPアドレスを持つWebサーバーに「このページの情報をください!」とリクエストを送ります。(ここまでは基本的な流れと同じです)

WebサーバーがWordPressプログラム(PHP)を動かす

リクエストを受け取ったWebサーバーは、それがWordPressのページへのリクエストであることを認識します。そして、Webサーバー上でPHPというプログラミング言語で書かれたWordPressのプログラムを実行するように指示します。「このURLに対応するページを生成してくれ!」という命令です。

WordPressがデータベース(MySQL/MariaDB)に必要な情報を問い合わせる

PHPで書かれたWordPressのプログラムが動き出します。WordPressは、「このページのタイトルは?」「本文は?」「サイドバーに表示するウィジェットは?」「どんなデザイン(テーマ)を適用する?」といった、ページを構成するために必要な情報を知るために、**データベース(MySQLやMariaDBという種類のデータベースがよく使われます)**に問い合わせを行います。

データベースが情報を返す

データベースは、WordPressからの問い合わせに応じて、保存されている情報(記事の内容、サイト設定、テーマやプラグインの設定など)を探し出し、WordPressに返します。

WordPressが情報をもとにHTMLを生成する

データベースから受け取った情報と、現在適用されているテーマ(デザインテンプレート)の情報などを組み合わせて、WordPressは最終的にブラウザが表示するためのHTMLコードをその場で生成します。

Webサーバーが生成されたHTMLをブラウザに返す

WordPressによって生成されたHTMLコードは、Webサーバーに渡されます。Webサーバーは、この出来立てのHTMLコードを、リクエスト元のブラウザに送り返します(レスポンス)。

ブラウザがHTMLを解釈して表示完了!

ブラウザは、Webサーバーから受け取ったHTMLコードを解釈し、CSS(デザイン)やJavaScript(動き)なども読み込んで、最終的にあなたの画面にウェブページとして表示します。

このように、WordPressサイトでは、アクセスがあるたびにサーバー側でPHPプログラムが動き、データベースと連携して動的にHTMLを生成している、という点が重要なポイントです。

【重要】WordPressを動かすための土台:サーバーとドメイン

WordPressサイトを公開するためには、この「PHPプログラムを動かし、データベースと連携する」という仕組みを実現するための土台が必要です。それがサーバードメインです。

サーバーとは?(Webサーバー、DBサーバー)

サーバーは、簡単に言うと、ウェブサイトのデータ(WordPressのファイルやデータベース)を保管し、インターネットからのリクエストに応じてそのデータを提供する高性能なコンピューターのことです。WordPressを動かすためには、主にWebサーバー機能、PHP実行環境、データベースサーバー機能が必要です。Webサーバーはブラウザからのリクエストを受け付け、PHPプログラムを実行したり、HTMLファイルや画像ファイルを送信したりする役割(ApacheやNginxというソフトウェアが有名です)を担います。PHP実行環境は、WordPress本体がPHPで書かれているため不可欠です。データベースサーバーは、記事の内容や設定などを保存・管理するデータベース(MySQLやMariaDB)を動かすためのものです。

ドメインとは?(インターネット上の住所)

ドメインは、インターネット上の「住所」にあたるものです(例: your-website.com)。ユーザーがブラウザにこのドメイン名を入力することで、あなたのWordPressサイトが置いてあるサーバーにアクセスできるようになります。ドメインは、通常、専門のレジストラ(ドメイン登録業者)から取得し、年単位で契約・更新します。

レンタルサーバーが便利な理由

レンタルサーバーは、上記のようなWordPressを動かすために必要なサーバー環境(Webサーバー、PHP、データベース)や、ドメインの設定などを、まとめて提供してくれるサービスです。初心者の方が自分でサーバーを構築・管理するのは非常に難易度が高いため、ほとんどの場合、WordPressサイトを始める際にはレンタルサーバーを契約します。多くのレンタルサーバーでは、「WordPress簡単インストール機能」などが用意されており、数クリックでWordPressサイトの基本的なセットアップが完了するため、初心者の方でも安心して始められます。私もお客様には、信頼できる国内のレンタルサーバーをおすすめすることが多いです。(具体的なサーバー名は規約上記載を控えますが、ご相談いただければアドバイス可能です)

WordPressを構成する主要な要素とその役割

WordPressサイトは、様々な要素が組み合わさって成り立っています。ここでは、特に重要な要素とその役割について解説します。これらの要素が連携することで、先ほど説明した「サイトが表示される仕組み」が実現されています。

WordPressコアファイル

WordPress本体のプログラム群

WordPressの本体となるプログラムファイル群です。WordPress.orgからダウンロードできるファイル一式がこれにあたります。管理画面の機能、記事投稿機能、ユーザー管理機能など、WordPressの基本的な機能はすべてこのコアファイルに含まれています。コアファイルは主にPHPで書かれており、サイトの表示、データベースとの連携、管理画面の操作など、WordPressの根幹となる処理を担当します。通常、これらのファイルを直接編集することはありません。

アップデートで機能追加やセキュリティ強化

WordPressは定期的にアップデートが行われ、新しい機能が追加されたり、セキュリティ上の問題(脆弱性)が修正されたりします。このアップデートは、主にこのコアファイルを最新版に置き換える作業です。サイトを安全に運営するためには、コアファイルのアップデートを欠かさず行うことが非常に重要です。

PHP(ピーエイチピー)

WordPressを動かすプログラミング言語

すでに出てきましたが、PHPはサーバー側で実行されるプログラミング言語で、WordPressのコアファイル、テーマ、プラグインの多くがPHPで書かれています。PHPは、HTMLの中に埋め込むことができ、データベースと連携して動的なコンテンツを生成するのに適しています。

サーバー側で動的にページを生成

WordPressサイトが表示される際に、サーバー上でPHPが実行され、データベースから取得した情報をもとにHTMLを組み立てています。ユーザーがアクセスするたびに、PHPが条件に応じて異なる処理を行い、表示内容を変化させることができます。例えば、ログインしているユーザーには特別なメニューを表示したり、検索キーワードに応じて関連性の高い記事一覧を表示したりといった処理は、PHPによって実現されています。

データベース(MySQL / MariaDB)

記事、設定、ユーザー情報などを保管する倉庫

データベースは、WordPressサイトの様々な情報を整理して保存しておくための「倉庫」のようなものです。一般的には**MySQL(マイエスキューエル)またはその互換データベースであるMariaDB(マリアデービー)**が使われます。データベースには、投稿した記事や固定ページのタイトル、本文、投稿日時、カテゴリーやタグの情報、サイトのタイトルやキャッチフレーズなどの基本設定、テーマやプラグインの設定内容、ユーザーアカウント情報(ユーザー名、パスワード(暗号化されたもの)、権限など)、コメントの内容などが格納されています。これらのデータが、WordPressのPHPプログラムからの要求に応じて取り出され、ウェブページとして表示されます。

WordPressが情報を読み書きする場所

記事を新しく投稿したり、サイト設定を変更したりすると、WordPressはその内容をデータベースに書き込みます。逆に、ページを表示する際には、データベースから必要な情報を読み出します。このデータの読み書き(Read/Write)が、WordPressの動的な動作の核となっています。

テーマ

サイトのデザイン(見た目)を決めるテンプレート

テーマは、WordPressサイトのデザイン(見た目)を決定するファイル一式です。ウェブサイトのレイアウト、配色、フォントなどを定義しています。WordPressでは、このテーマを切り替えるだけで、サイト全体のデザインをがらりと変更することができます。無料のテーマから高機能な有料テーマまで、世界中で数多くのテーマが開発・配布されています。

HTML、CSS、PHPファイルなどで構成

テーマは、主にPHPファイル、CSSファイル(style.css)、JavaScriptファイル、画像ファイルなどで構成されています。PHPファイルは、ページのどの部分にどの情報を表示するかを定義し、データベースから取得した情報をHTMLに埋め込む役割も担います。CSSファイルは、文字の大きさや色、レイアウトなど、サイトの具体的な見た目を指定します。JavaScriptファイルは、スライドショーやメニューのアニメーションなど、ページに動きをつけるために使われることがあります。画像ファイルには、テーマのデザインで使用されるロゴやアイコンなどが含まれます。近年のテーマでは、templates / template-parts といったフォルダにページの種類ごとのテンプレートや共通パーツのファイルが含まれたり、theme.json というファイルでデザイン設定を定義したりすることも増えています。

テーマによってカスタマイズ性が異なる

テーマによって、管理画面からカスタマイズできる範囲は異なります。シンプルなテーマもあれば、色やレイアウト、ヘッダー・フッターのデザインなどを細かく設定できる高機能なテーマもあります。最近のブロックテーマでは、サイト全体をブロックエディタで直感的に編集できるフルサイト編集(FSE)に対応しており、より自由なカスタマイズが可能になっています。

プラグイン

WordPressに機能を追加する拡張パーツ

プラグインは、WordPressに新しい機能を追加するための拡張プログラムです。スマートフォンのアプリのようなものと考えると分かりやすいかもしれません。WordPress本体(コア)は、ブログとしての基本的な機能を中心に提供されていますが、プラグインを追加することで、お問い合わせフォームの作成、SEO対策機能の追加、セキュリティ強化、サイト表示の高速化(キャッシュ)、EC機能の追加(WooCommerceなど)、SNS連携ボタンの設置、サイトデータの自動バックアップなど、様々な機能を実現できます。

プラグインの入れすぎには注意

プラグインは非常に便利ですが、むやみにたくさんインストールすると、サイトの表示速度が遅くなったり、プラグイン同士が干渉して不具合を起こしたり、プラグインの脆弱性がサイト全体のセキュリティリスクを高めたり、サーバーに負荷がかかったりする可能性があります。必要な機能を見極め、信頼できるプラグインを選んで利用することが大切です。また、使わなくなったプラグインは無効化するだけでなく、削除することをおすすめします。

コンテンツファイル(wp-contentディレクトリ)

テーマ、プラグイン、アップロードした画像などを格納

wp-contentディレクトリは、あなたのWordPressサイト固有のデータが格納される非常に重要なフォルダです。WordPressのコアファイルとは別に管理されており、アップデートの影響を受けません。wp-contentディレクトリの中には、主にインストールしたテーマのファイル一式(themesフォルダ)、インストールしたプラグインのファイル一式(pluginsフォルダ)、記事内などにアップロードした画像や動画などのメディアファイル(uploadsフォルダ、通常は年/月のフォルダに整理されます)、WordPress本体やテーマ・プラグインの翻訳ファイル(languagesフォルダ)、その他、キャッシュプラグインなどが生成する一時ファイルなどが保存されています。

サイトの独自データが集まる場所

このwp-contentディレクトリは、サイトのデザイン、追加機能、そしてあなたが作成したコンテンツ(画像など)の実体が集まっている場所です。サイトのバックアップを取る際には、データベースの情報と、このwp-contentディレクトリの内容を保存することが基本となります。

WordPressの仕組みを理解するメリット

ここまでWordPressの仕組みについて解説してきましたが、改めて、これらの知識がどのように役立つのか、そのメリットをまとめてみましょう。

トラブル発生時に原因を特定しやすくなる

WordPressサイトを運営していると、「画面が真っ白になった」「エラーメッセージが表示される」「特定のプラグインがうまく動かない」といったトラブルに遭遇することがあります。これは多くのWordPressユーザーが経験することです。そんな時、仕組みを理解していると、問題解決の糸口を見つけやすくなります。

「画面が真っ白」の原因究明など

例えば、「画面が真っ白(White Screen of Death)」になる現象は、PHPのエラーが原因であることが多いです。テーマやプラグインのコードに問題があるか、あるいはそれらが特定のPHPバージョンと互換性がない、メモリ不足などが考えられます。仕組みを知っていれば、「最近追加したプラグインを無効化してみよう」「テーマをデフォルトに戻してみよう」「サーバーのPHPエラーログを確認してみよう」といった具体的な対処法の見当がつきやすくなります。

カスタマイズの自由度が広がる

WordPressの魅力の一つはカスタマイズ性の高さですが、仕組みを知ることで、その可能性をさらに引き出すことができます。

テーマやプラグインの仕組みが分かれば応用可能

テーマのどのファイルがどの部分の表示を担当しているのか(テンプレート階層の理解)、プラグインがどのように機能を追加しているのか(フックの概念など)が分かると、単に管理画面から設定するだけでなく、より高度なカスタマイズに挑戦できるようになります。例えば、「子テーマ」を作成して、元のテーマのアップデートの影響を受けずにデザインを調整したり、簡単なコードを追加して独自の機能を実現したりすることも可能です。(もちろん、深いカスタマイズにはHTML/CSSやPHPの知識が必要になりますが、仕組みの理解はその第一歩です。)

セキュリティ意識が高まる

WordPressは人気があるゆえに、悪意のある攻撃の標的になりやすい側面もあります。仕組みを理解することは、サイトを守る上でも重要です。

アップデートの重要性が理解できる

WordPress本体(コア)、テーマ、プラグインのアップデートには、機能改善だけでなく、発見されたセキュリティ上の欠陥(脆弱性)の修正が含まれていることがよくあります。なぜアップデートが必要なのか、それを怠るとどのようなリスクがあるのか(例えば、サイトが改ざんされたり、不正なプログラムを仕込まれたりする)を仕組みから理解できれば、面倒に感じがちなアップデート作業も、サイトを守るための重要な対策として捉えることができます。

不審なファイルやコードに気づきやすくなる

WordPressの基本的なファイル構成(コアファイル、wp-contentなど)を知っていれば、サーバー内に見慣れないファイルやフォルダが作られていた場合に、「これは怪しいかもしれない」と気づくことができます。また、テーマやプラグインのコードを少し読めるようになれば、悪意のあるコードが仕込まれていないかを確認する助けにもなります。(ただし、専門的な判断は難しい場合もあります)

最適なサーバー選びや設定ができるようになる

WordPressサイトのパフォーマンス(表示速度など)や安定性は、土台となるサーバー環境に大きく左右されます。

サーバー選びや設定の判断材料になる

仕組みを理解していれば、レンタルサーバーを選ぶ際に、スペック(CPU、メモリ、ディスク容量、転送量など)や、PHPのバージョン、データベースの種類といった項目が、自分のサイトの規模や目的に合っているかを判断しやすくなります。また、PHPのメモリ上限設定(memory_limit)など、サーバー側の設定がWordPressの動作にどう影響するのかを理解し、必要に応じて適切な設定を依頼したり、より適したプランに変更したりといった判断ができるようになります。

WordPressの仕組みに関するよくある質問(Q&A)

ここで、WordPressの仕組みに関して初心者の方が抱きやすい疑問について、Q&A形式でお答えします。

Q1. HTMLやCSSの知識は必要ですか?

必須ではありませんが、あると役立ちます

WordPressは、HTMLやCSSを知らなくても、テーマやブロックエディタを使えば基本的なサイト作成や記事投稿は可能です。しかし、デザインの細部を調整したい、レイアウトを少し変更したいといった場合には、HTML(構造)とCSS(装飾)の知識があると非常に役立ちます。特に、テーマのカスタマイズやオリジナルのデザインを実現したい場合には、学習する価値は大きいです。多くの制作現場では、HTML/CSSの知識はWordPressを扱う上で基礎的なスキルとされています。

Q2. PHPやデータベースの知識はどの程度必要ですか?

基本的な利用には不要ですが、深いカスタマイズやトラブル対応には必要になることも

日常的な記事投稿やサイト運営には、PHPやデータベース(SQL)の知識は基本的に不要です。WordPressが裏側で自動的に処理してくれます。しかし、テーマやプラグインの高度なカスタマイズを行いたい場合や、複雑なエラーの原因を調査する場合などには、PHPのコードを読んだり、データベースの構造を理解したりする必要が出てくることがあります。とはいえ、まずはWordPressの使い方に慣れることが先決です。必要に応じて学んでいくというスタンスで問題ありません。

Q3. WordPressは無料なのにサーバー代やドメイン代はなぜ必要?

家(WordPress)は無料でも、土地(サーバー)と住所(ドメイン)は必要だから

WordPressのソフトウェア自体(WordPress.orgからダウンロードするもの)はオープンソースで無料です。しかし、そのWordPressをインターネット上で公開し、誰でもアクセスできるようにするためには、家を建てる場所に例えると「土地」にあたるサーバーと、「住所」にあたるドメインが必要になります。レンタルサーバー代やドメイン取得・更新費用は、この土地代と住所代にあたるもの、と考えると分かりやすいでしょう。これらはWordPressとは別にかかる維持費となります。

Q4. WordPress.comとWordPress.orgの仕組みの違いは?

サービス形態と自由度が異なります

WordPress.orgは、無料のソフトウェアそのものを指します。これを自分でレンタルサーバーなどにインストールして使う形式です。自由度が高く、テーマやプラグインの制限がなく、自由にカスタマイズできますが、サーバーやドメインの契約・管理は自分で行う必要があります。この記事で解説しているのは、主にこちらの仕組みです。

一方、WordPress.comは、WordPressを使ったブログ・ウェブサイト作成サービスです。サーバーやドメインの準備が不要で、アカウント登録すればすぐに始められますが、無料プランでは機能制限が多く、独自ドメイン利用やプラグイン導入、詳細なカスタマイズには有料プランへの加入が必要です。運営会社(Automattic社)が提供するサービスプラットフォーム上で動いています。

どちらが良いかは目的によりますが、本格的なサイト運営や自由なカスタマイズを求めるならWordPress.org(レンタルサーバー利用)が一般的です。

Q5. ブロックエディタやフルサイト編集(FSE)は仕組みにどう関係する?

コンテンツやデザインの作成・管理方法が進化していますが、基本的な仕組みは同じです

ブロックエディタ (Gutenberg)は、記事や固定ページのコンテンツを「ブロック」という単位で組み合わせて作成する編集方式です。これにより、テキスト、画像、見出し、ボタンなどをより直感的に配置・編集できるようになりました。裏側では、これらのブロック情報が特別なコメント形式でデータベースに保存され、表示時にPHPが解釈してHTMLを生成します。コンテンツの作成・管理方法が変わりましたが、PHPとデータベースで動的にページを生成する基本原理は変わりません。

フルサイト編集 (FSE)は、ブロックエディタの仕組みを、記事だけでなくサイト全体のヘッダー、フッター、サイドバーといった部分にまで拡張した機能です。対応する「ブロックテーマ」を使えば、サイト全体のあらゆる部分をブロックで編集できるようになります。これにより、従来はテーマファイル(PHP)を編集する必要があった箇所も、管理画面から直感的にカスタマイズ可能になりました。これもユーザーインターフェースの大きな進化ですが、最終的にPHPとデータベースが連携してHTMLを生成するというコアな仕組みは共通しています。

これらの新機能は、WordPressの「使い方」を大きく変えましたが、「基本的な動作原理(仕組み)」そのものが根底から変わったわけではありません。

まとめ

今回は、WordPress初心者の方に向けて、サイトが表示される基本的な仕組みから、PHP、データベース、テーマ、プラグインといった主要な構成要素の役割まで、できるだけ分かりやすく解説しました。

WordPressは、アクセスがあるたびにサーバー上でPHPプログラムが動き、データベースと連携して動的にHTMLページを生成することで、柔軟で高機能なウェブサイトを実現しています。この仕組みを少しでも理解しておくことで、サイト運営中のトラブルシューティング、カスタマイズ、セキュリティ対策、サーバー選びなど、様々な場面で必ず役に立ちます。

もちろん、最初からすべてを完璧に理解する必要はありません。実際にWordPressを使いながら、「これはどういう仕組みで動いているんだろう?」と疑問に思ったときに、この記事を読み返していただけると嬉しいです。

もし、「自分でWordPressサイトを構築・運営するのはやっぱり難しそう」「もっと本格的なサイトを作りたいけど、どこから手をつければいいか分からない」と感じている方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。私はこれまで500件以上のWordPressサイト制作に携わり、多くの初心者の方のサイト立ち上げから活用、集客までをサポートしてきました。あなたの目的やご予算に合わせた最適なプランをご提案し、WordPressサイトの構築から運営まで、しっかりとサポートさせていただきます。まずは無料相談から、あなたがお持ちの疑問やご要望をお聞かせください。

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この記事を書いた人

Webデザイナー・Webコンサルタント
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