「ホームページやブログを作りたいけど、よく聞くWordPressって実際どうなの?」「メリットがたくさんあるって聞くけど、デメリットもあるんでしょ?」「初心者でも使えるのかな…?」 ホームページ制作やブログを考え始めたとき、多くの方がWordPress(ワードプレス)という言葉を耳にするのではないでしょうか。
世界中で圧倒的なシェアを誇るWordPressですが、そのメリットばかりが強調され、デメリットや注意点については意外と知られていないことも。導入してから「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためにも、良い面と悪い面の両方をしっかり理解しておくことが大切です。ご安心ください。
この記事を読めば、WordPressが本当にあなたの目的やスキルに合っているのか、そして導入するなら何を注意すべきかが明確になり、自信を持って最適な選択ができるようになるはずです。
この記事を書いた人
Hara Daizo
Webデザイナー・Webコンサルタント
WebデザイナーからWeb担当者を通してSEO対策など幅広いサイト運営を経験。その後、STARRYを創業。初めてホームページ制作やSEO対策をする方へWordPressを使用したホームページを提供中。ランサーズ認定ランサー。
WordPressって何? まずは基本をおさえよう
メリット・デメリットを見る前に、まず「WordPressとは何か」を簡単におさらいしておきましょう。
世界中で愛されるCMS「WordPress」の正体
WordPressは、世界で最も利用されている**CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)**の一種です。CMSとは、簡単に言うと、Webサイトのコンテンツ(テキスト、画像、動画など)を管理し、HTMLやCSSといった専門知識がなくても比較的簡単にWebサイトを作成・更新できるシステムのことです。
ブログのように記事を投稿したり、固定ページを作成したり、デザインを変更したりといった作業を、管理画面から直感的に行えるのが特徴です。元々はブログ作成ツールとしてスタートしましたが、現在では企業のコーポレートサイト、ニュースサイト、ECサイト、会員制サイトなど、あらゆる種類のWebサイトがWordPressで作られています。
WordPressには2種類ある?「.org」と「.com」の違いとは
初心者の方が混乱しやすいポイントとして、WordPressには「WordPress.org」と「WordPress.com」という2つの異なる形態が存在することが挙げられます。一般的に「WordPressでサイトを作る」と言う場合、多くは前者の「WordPress.org」を指します。
WordPress.org(インストール型) 特徴と自由度
「WordPress.org」は、WordPressのソフトウェア本体を無料でダウンロードし、自分で用意したレンタルサーバーにインストールして利用するタイプです。ソフトウェア自体は無料ですが、サイトを公開するためには別途レンタルサーバー代と独自ドメイン代(サイトの住所となるURL)が必要になります。 最大のメリットは、自由度が非常に高いことです。デザインテーマやプラグイン(後述)を自由に選び、インストールして利用できます。カスタマイズも思いのままに行え、広告掲載や商用利用にも制限はありません。本格的なWebサイトやブログを構築したい場合は、基本的にこちらを選択します。
WordPress.com(サービス型) 手軽さと制約
「WordPress.com」は、WordPressのシステムを使い、ブログサービスのようにアカウント登録するだけで始められるホスティングサービスです。無料プランから用意されており、サーバーやドメインを自分で用意する必要がないため、手軽に始められるのがメリットです。 しかし、無料プランや低価格プランでは、利用できるテーマやプラグインに大きな制限があったり、独自ドメインが使えなかったり、広告が強制表示されたり、自由に広告を掲載できなかったりといった制約が多くあります。WordPress.orgのような自由度を求める場合は、高額な有料プランに加入する必要があります。
この記事では、本格的なホームページ制作やブログに多く使用されている、自由度が高く一般的に利用される「WordPress.org(インストール型)」について、そのメリット・デメリットを解説していきます。
WordPress導入のメリット徹底解剖!選ばれる理由はコレ
では、なぜWordPressはこれほどまでに多くの人に選ばれているのでしょうか? 数多くのサイト制作を手掛けてきた経験から、特に重要だと感じるメリットを詳しく見ていきましょう。
メリット1 圧倒的なカスタマイズ性とデザインの自由度
WordPress最大の魅力の一つは、デザインや機能を思い通りにカスタマイズできる自由度の高さです。
高機能、高品質な「テーマ」でオリジナル性の高いデザインを実現
WordPressの豊富なテーマを使えば、初心者でもある程度のサイト作成が可能です。しかし、他サイトとの差別化やビジネスでの成果を求めるなら、テーマの適用だけでは不十分な場合も。プロに依頼すれば、最適なテーマ選定に加え、専門技術(HTML/CSS/PHP等)による独自カスタマイズが可能。デザイン・機能・集客力を兼ね備えた、成果の出るオリジナルサイトを実現できます。WordPressの高い自由度は、プロに任せることで最大限活かせるのです。
思い通りのサイトが作れる自由度の高さ
既存のテーマをベースにして、色を変更したり、ロゴを入れたり、フォントを変えたりといったカスタマイズも、テーマによっては管理画面から簡単に行えます。さらに、HTML、CSS、PHPといったWeb制作の知識があれば、テーマのファイルを直接編集して、より細かなデザイン調整や独自の機能追加を行うことも可能です。この「やろうと思えばどこまでもこだわれる」拡張性が、多くのプロのWeb制作者にも選ばれる理由なのです。
メリット2 「プラグイン」で欲しい機能を簡単に追加
デザインと並んでWordPressを強力にしているのが、「プラグイン」の存在です。
プラグインとは?WordPressを強化する拡張機能
プラグインは、WordPressの標準機能だけでは足りない部分を補うための「追加プログラム」です。スマートフォンにアプリをインストールして機能を追加するのと同じような感覚で、様々な機能を手軽にWordPressサイトに追加できます。
SEO対策、お問い合わせフォーム、EC機能まで自由自在
例えば、「サイトのアクセス状況を知りたい(アクセス解析)」「お問い合わせフォームを設置したい」「SNSで記事をシェアしやすくしたい」「画像の表示速度を上げたい」「セキュリティを強化したい」「ネットショップ(ECサイト)機能を追加したい」「会員限定のコンテンツを作りたい」など、考えられるほとんどの機能は、プラグインを探せば見つかると言っても過言ではありません。公式ディレクトリだけでも数万種類のプラグインがあり、その多くが無料で提供されています。これにより、プログラミングの知識がなくても、非常に高機能なWebサイトを構築できるのです。
メリット3 SEO(検索エンジン最適化)に強い構造
Webサイトで集客を考える上で、SEO(Googleなどの検索エンジンで上位表示させるための対策)は非常に重要です。WordPressは、その基本的な仕組みや拡張性によって、SEOに強いと言われています。
検索エンジンが認識しやすいサイト構造
WordPressは、Googleなどの検索エンジンがサイトの内容を理解しやすいような、論理的で標準に準拠したHTMLコードを出力するように設計されています。また、ページのURL(パーマリンク)を分かりやすい形に設定したり、カテゴリーやタグを使ってコンテンツを整理したりする機能も標準で備わっており、これらはSEOの基礎として重要です。
SEO対策プラグインの活用
さらに強力なのが、SEO対策専用のプラグインです。「Yoast SEO」や「Rank Math SEO」といった有名なプラグインを使えば、専門家でなくても、ページごとに最適なタイトルや説明文(メタディスクリプション)を設定したり、検索エンジン向けのサイトマップ(XMLサイトマップ)を自動生成したり、コンテンツのSEO的な改善点を指摘してくれたり、といった高度なSEO施策を管理画面から簡単に行えます。これは、他のCMSや自作のサイトと比較して大きなアドバンテージです。
コンテンツマーケティングとの相性の良さ
WordPressは元々ブログシステムとして発展してきたため、新しい情報を記事として追加・更新していくことが非常に得意です。質の高いコンテンツを継続的に発信することは、現在のSEOにおいて最も重要な要素の一つ(コンテンツマーケティング)ですが、WordPressはその運用を技術的に強力にサポートしてくれます。
メリット4 世界最大のシェアと豊富な情報量
WordPressが世界中のWebサイトで圧倒的なシェアを持っていることは、利用者にとって大きな安心感とメリットに繋がります。
困ったときに頼れる情報の多さ(ネット検索、書籍)
何か設定で分からないことがあったり、トラブルが発生したりした場合でも、WordPressに関する情報はインターネット上に溢れています。使い方を解説するブログ記事、特定のカスタマイズ方法、エラーの解決策など、検索すれば大抵のことは誰かが既に記事にしてくれています。専門書も多数出版されています。この情報のアクセシビリティの高さは、特に初心者にとっては非常に心強い味方です。
制作会社やフリーランスの選択肢も豊富
もし自分でサイトを作るのが難しいと感じた場合でも、WordPressでのサイト制作に対応できるWeb制作会社や、個人のフリーランス制作者は非常に多く存在します。そのため、依頼先の選択肢が広く、相性の良いパートナーを見つけやすいと言えます。また、将来的にサイトの管理を引き継いだり、改修を依頼したりする場合も、対応できる人材を見つけやすいというメリットがあります。私自身も、多くのクライアント様からWordPressでの制作依頼をいただいています。
メリット5 コンテンツの追加・更新がブログ感覚で簡単
Webサイトは作って終わりではありません。情報を追加したり、内容を更新したりして、常に「生きた」状態にしておくことが重要です。WordPressなら、この運用が非常に楽に行えます。
HTMLを知らなくても大丈夫?直感的な操作画面
WordPressの管理画面は、比較的直感的に操作できるように作られています。特に記事の投稿・編集画面(ブロックエディタやクラシックエディタ)は、ワープロソフトを使うような感覚で、文字の装飾や画像の挿入、見出しの設定などが行えます。基本的な更新作業であれば、HTMLやCSSといった専門知識はほとんど必要ありません。
お知らせやブログ記事の追加・編集の手軽さ
企業の最新情報やお知らせ、ブログ記事などを、担当者が特別なツールを使わずに、いつでも手軽に追加・修正できるため、常にサイトの情報を新鮮に保つことができます。これは、情報発信を頻繁に行いたい場合に非常に重要です。
メリット6 (ソフトウェア自体は)無料で利用可能
WordPress(.org)のソフトウェア本体は「オープンソース」として提供されており、誰でも無料でダウンロードして利用できます。
オープンソースであることの意味
オープンソースとは、ソフトウェアの設計図(ソースコード)が公開されており、誰でも自由に利用、改変、再配布できるライセンス形態のことです。世界中の開発者が協力して開発・改善を進めているため、進化が早く、特定の企業に依存しないというメリットがあります。
ライセンス費用がかからないメリット
商用のCMSなどでは、初期費用や年間ライセンス料が必要になる場合がありますが、WordPress(.org)自体にはそうしたライセンス費用は一切かかりません。これにより、初期コストを抑えてサイト構築を始めることができます。(ただし、後述するように、サーバー代などの維持費は必要です)
知っておくべきWordPressのデメリットと注意点
これだけ多くのメリットがある一方で、WordPressには注意すべきデメリットも存在します。これらを理解せずに導入すると、後で困ることになりかねません。500件以上のサイト制作に関わってきた中で、クライアント様がつまずきやすいポイントでもあります。
デメリット1 サーバー・ドメイン費用が別途必要
メリットで「無料」と挙げましたが、これは誤解を生みやすい点です。WordPressというソフトウェア自体は無料ですが、実際にWebサイトとしてインターネット上に公開・運用するには、以下の費用が必ずかかります。
「無料」だけど「完全無料」ではない理由
WordPress(.org)を使うには、作成したサイトのデータを置いておく場所(レンタルサーバー)と、そのサイトにアクセスするためのインターネット上の住所(独自ドメイン)が必要です。これらは専門のサービス会社から契約する必要があり、維持費が発生します。
レンタルサーバーと独自ドメインの維持費の目安
レンタルサーバーの料金は、性能や機能によってピンキリですが、個人ブログや中小企業のサイトであれば、月額500円〜1,500円程度が一般的な相場です。独自ドメインの料金は、ドメインの種類(.com、.jp、.netなど)によりますが、年間1,000円〜数千円程度です。つまり、WordPressサイトを運営するには、どんなに安くても年間で1万円前後の維持費は見ておく必要があります。「WordPressは無料だからタダでサイトが持てる」というのは間違いですので注意しましょう。
(補足)有料テーマ・プラグインのコスト
さらに、よりデザイン性の高いサイトや高機能なサイトを目指す場合、有料のテーマ(数千円〜数万円程度)や有料のプラグイン(月額/年額課金や買い切り型など様々)を利用することもあります。これらも考慮に入れると、WordPressサイトの運営コストは「無料」とは言えないケースが多いです。私の場合は、有料テーマ費用は制作に含まれていますが、制作費以外に請求される場合もありますので、予め確認をしておきましょう。
デメリット2 高度なカスタマイズには専門知識が必要
メリットで「カスタマイズ性が高い」と述べましたが、その自由度を最大限に活かすためには、専門知識が必要になる場面が出てきます。
HTML/CSS/PHPの知識が必要になる場面
既存のテーマやプラグインの設定範囲を超えて、「この部分のデザインを少し変えたい」「ここに独自の機能を追加したい」といった要望が出てきた場合、HTML(構造)、CSS(装飾)、そしてPHP(プログラム)といったWeb制作言語の知識が求められます。特に、テーマのデザインを根本から変えたり、複雑な機能を追加したりするには、PHPの理解が不可欠です。
デザインや機能にこだわりたい場合の壁
「初心者でも簡単にプロ並みのサイトが…」とは言われますが、細部までこだわり始めると、途端に専門知識の壁にぶつかることがあります。「このボタンの色だけ変えたいのに、設定項目がない…」「プラグインを入れたけど、微妙にイメージと違う動きをする…」といったことは多いです。
初心者はどこまで自力でできる?
基本的な記事投稿や画像の差し替え、テーマやプラグインが用意している設定範囲内でのカスタマイズであれば、初心者の方でも十分可能です。しかし、「テーマにないレイアウトを作りたい」「プラグインにない機能を実現したい」となると、自力での対応は難しくなります。ある程度の妥協をするか、時間をかけて学習するか、あるいはプロ(Web制作者)に依頼するかの判断が必要になります。
デメリット3 セキュリティ対策は自己責任
WordPressは非常に人気があるため、残念ながら悪意を持った攻撃者のターゲットにもなりやすいという現実があります。そして、そのセキュリティ対策は、基本的にサイト運営者自身が行う必要があります。
なぜWordPressは狙われやすいのか?(シェアの大きさ)
世界中で使われているということは、攻撃者にとっても「攻略法」が見つかれば、多くのサイトを攻撃できる可能性があるということです。また、WordPress本体だけでなく、数多く存在するテーマやプラグインにセキュリティ上の弱点(脆弱性)が見つかることも多く、そこを狙った攻撃が日々行われています。
定期的なアップデートの重要性(本体・テーマ・プラグイン)
WordPress本体、使用しているテーマ、そしてインストールしている全てのプラグインは、脆弱性の修正や機能改善のために、開発者から定期的にアップデートが提供されます。これらのアップデートを適用せず古いバージョンのまま放置することは、セキュリティ上の扉を開けっ放しにしているようなもので、非常に危険です。常に最新の状態に保つことが、最も基本的かつ重要なセキュリティ対策です。これは本当に、口を酸っぱくして言いたいほど重要です。
不正アクセス、改ざん、情報漏洩のリスクと具体的な対策例
もしセキュリティ対策を怠ると、不正ログインされて管理画面を乗っ取られたり、サイトの内容を書き換えられたり(改ざん)、閲覧者にウイルスを感染させるような悪質なコードを埋め込まれたり、場合によってはお問い合わせフォームなどから収集した顧客情報が盗まれたり(情報漏洩)するリスクがあります。これを防ぐには、アップデートの励行に加え、以下のような対策が必要です。
- 推測されにくい複雑なパスワードの使用と定期的な変更
- ログインURLの変更や二段階認証の導入
- セキュリティ対策プラグイン(例: SiteGuard WP Plugin, Wordfence Securityなど)の導入と適切な設定
- 不要なテーマやプラグインの削除
- 信頼できるレンタルサーバーの選択(サーバー側でのセキュリティ対策も重要)
- 定期的なバックアップの取得
セキュリティは「一度設定したら終わり」ではなく、継続的な運用・監視が求められるのです。
デメリット4 表示速度が遅くなる可能性と対策
WordPressは、アクセスがあるたびにデータベースから情報を読み込んでページを生成する「動的な」仕組みです。そのため、単純なHTMLファイルだけで構成された「静的な」サイトと比べると、ページの表示速度が遅くなる傾向があります。
プラグインの入れすぎや重いテーマの影響
便利なプラグインですが、たくさんインストールしすぎると、それだけ処理が増えてサイト全体の動作が重くなる原因になります。特に、内部で複雑な処理を行っているプラグインや、 poorly coded(質の低いコードで作られた)プラグインは影響が大きいです。また、多機能でデザイン性の高いテーマも、読み込むファイルが多くて表示速度を低下させる一因となることがあります。「あれもこれも」と機能を詰め込みすぎないバランス感覚も大切です。
画像最適化など表示速度改善の必要性
サイトの表示速度は、WordPress自体の問題だけでなく、コンテンツの作り方にも大きく左右されます。特に、ファイルサイズの大きな画像をそのままアップロードしていると、読み込みに時間がかかり、表示速度低下の大きな原因となります。画像のファイルサイズを適切に圧縮したり、WebPなどの次世代フォーマットを利用したりする画像最適化は必須です。
サーバー選びやキャッシュ活用も重要
表示速度には、サイトを置いているレンタルサーバーの性能も大きく影響します。あまりに安価なサーバーだと、アクセスが集中した際に極端に表示が遅くなることもあります。また、キャッシュ機能(一度生成したページを一時保存して再利用する仕組み)を活用することも非常に効果的です。キャッシュ用プラグインを導入したり、サーバーが提供するキャッシュ機能を利用したりすることで、表示速度を大幅に改善できる場合があります。
デメリット5 公式の電話サポートなどはない
WordPress(.org)は、特定の企業が提供する商用サービスではないため、問題が発生しても、電話やメールで問い合わせて直接サポートを受けられる窓口はありません。
問題発生時は基本的に自己解決が必要
「サイトが真っ白になった」「ログインできなくなった」「この設定の意味が分からない」…など、サイト運営をしていると様々な問題に直面しますが、基本的には自分でインターネットで情報を検索したり、書籍を読んだりして、解決策を探す必要があります。
コミュニティフォーラムやネット情報の活用方法
幸い、WordPressは利用者が非常に多いため、ネット上には膨大な情報があります。WordPress公式の「サポートフォーラム」では、世界中のユーザー同士が質問し合い、助け合っています。また、多くの専門家や経験者がブログなどで解決策を発信しています。ただし、情報が多すぎて必要な情報にたどり着けなかったり、情報が古かったり、自分の状況とは異なっていたりすることもあります。検索スキルや、情報を取捨選択する力、ある程度の**試行錯誤する力(自走力)**が求められる点は、覚悟しておく必要があります。
専門業者に保守を依頼する選択肢
もし自力での解決が難しい、あるいはその時間がないという場合は、WordPressの保守・運用を専門に行っている業者に依頼するという選択肢もあります。もちろん費用はかかりますが、専門家に対応してもらえる安心感は得られます。
デメリット6 アップデートに伴う不具合のリスク
セキュリティのためにアップデートが重要だと述べましたが、そのアップデート作業が原因で、新たな問題が発生するリスクもあります。これは、WordPress運用において最も注意が必要な点の一つかもしれません。
テーマやプラグインとの互換性問題の実例
WordPress本体を最新バージョンにアップデートした際に、使用しているテーマやプラグインがその新しいバージョンにまだ対応しておらず、サイトのデザインが崩れたり、一部機能が正常に動作しなくなったりする、というトラブルは、残念ながら発生し得ます。特に、長期間更新されていない古いテーマや、開発が終了してしまったプラグインを使っている場合にリスクが高まります。私が見てきた中でも、「アップデートしたら画面が真っ白になった」「お問い合わせフォームが動かなくなった」というケースは少なくありません。
事前バックアップの重要性と方法
このような予期せぬトラブルに備えるため、アップデート作業を行う前には、必ずサイト全体のバックアップを取る習慣をつけましょう。バックアップがあれば、万が一問題が発生しても、作業前の状態にサイトを復元できます。バックアップは、専門のプラグイン(例: UpdraftPlus, BackWPupなど)を使ったり、レンタルサーバーが提供しているバックアップ機能を利用したりするのが一般的です。
≫初心者におすすめのWordPressバックアッププラグイン【2025年最新版】
安全なアップデート手順の基本
リスクを最小限にするためには、いきなり本番のサイトで主要なアップデート(特にWordPress本体のメジャーアップデート)を行うのではなく、可能であればテスト環境(ステージング環境)を用意し、そこで事前にアップデート後の動作を確認してから本番サイトに適用するのが最も安全な方法です。
結局WordPressは使うべき?判断基準と向いている人
ここまでメリットとデメリットを見てきました。では、これらを踏まえた上で、どのような人がWordPressを使うべきなのでしょうか?私の経験に基づいた判断基準と、向いている人のタイプをまとめました。
WordPressがおすすめなのはこんな人・こんなケース
オリジナルデザインのサイトを作りたい人
無料ブログサービスなどの画一的なデザインでは満足できず、自社や自分のブランドイメージを反映した、独自性の高いデザインのWebサイトを構築したいと考えている方。
SEOを重視し、本格的なWeb集客を目指す人
検索エンジンからの集客を重要視し、コンテンツマーケティングなどを通じて、長期的にWebサイトをビジネスの基盤として育てていきたいと考えている企業や個人事業主の方。
ブログやオウンドメディアを運営したい人
専門知識やノウハウの発信、顧客とのコミュニケーションなどを目的として、頻繁にコンテンツを更新するブログやメディアサイトを運営したい方。
将来的に機能拡張やECサイト化などを考えている人
最初はシンプルなサイトでスタートしても、将来的にネットショップ機能を追加したり、会員制機能を導入したり、様々な機能を追加してサイトを発展させていく可能性がある方。WordPressなら柔軟に対応できます。
ある程度自分で調べて解決できる人や社内体制が整っている
デメリットとして挙げたように、WordPressの運用にはある程度の自己解決能力が求められます。分からないことを自分で調べたり、試行錯誤したりすることに抵抗がない、学習意欲のある方。また、社内にWebサイトに詳しい担当者がいると良いでしょう。
WordPress以外の選択肢を検討した方が良いケース
一方で、以下のような場合は、WordPress以外の選択肢(例えば、高機能なホームページビルダーサービスや、手軽なブログサービスなど)の方が適しているかもしれません。
とにかく無料で手軽に始めたい(情報発信のみが目的)
サーバー代やドメイン代もかけたくない、とにかく手軽に情報発信だけできれば良い、という場合は、無料ブログサービスの方が簡単かもしれません。(ただし、デザインや機能、広告などの制約は受け入れる必要があります)
PC操作やWebの知識に自信がない、学習時間がない
パソコンの操作自体に苦手意識があったり、新しいことを学ぶ時間的・精神的な余裕がなかったりする場合は、WordPressの運用は負担に感じる可能性があります。よりサポートが手厚い有料のホームページ作成サービスなどを検討する方が良いかもしれません。
セキュリティやメンテナンスを完全に任せたい
アップデートやセキュリティ対策などを自分で行うことに不安を感じる、専門家に完全に任せたい、という場合は、保守管理まで含めて提供してくれる制作会社に依頼するか、あるいはSaaS型のホームページサービスなどを検討する方が安心です。
ごく小規模な(数ページの)サイトで十分
会社概要や地図など、数ページ程度の固定的な情報だけで構成され、今後ほとんど更新する予定がないような小規模サイトであれば、必ずしもWordPressのようなCMSを使わず、静的なHTMLサイトで作成する方が、表示速度やセキュリティの面で有利な場合もあります。
他の選択肢(ホームページビルダー、ブログサービス等)との比較
最近では、Wix、STUDIO、ペライチ、Shopify(EC特化)など、高機能でデザイン性の高いホームページ作成サービスも多く存在します。それぞれにメリット・デメリットがあるので、WordPressと比較検討してみることを強くお勧めします。
最終的にどのツールを選ぶかは、あなたの目的、予算、スキル、そして将来的な展望を総合的に考えて判断することが大切です。
まとめ|メリット・デメリットを理解してWordPressを最大限に活用しよう
今回は、世界で最も使われているCMSであるWordPressについて、そのメリットとデメリットを、Web制作のプロの視点から詳しく解説してきました。
WordPressは、高いカスタマイズ性、豊富な機能拡張(プラグイン)、SEOへの強さ、情報の豊富さ、更新の容易さといった多くのメリットを持ち、本格的なWebサイトやブログを構築するための非常に強力なツールです。特に、オリジナリティを追求したい、Web集客に力を入れたい、長期的にサイトを育てていきたい、と考えている方には最適な選択肢の一つとなるでしょう。
しかしその一方で、維持費(サーバー・ドメイン代)の発生、専門知識の必要性(特にカスタマイズ時)、自己責任でのセキュリティ対策、表示速度への配慮、公式サポートの不在といったデメリットや注意点も存在します。これらの点を理解せずに導入すると、後で「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。
重要なのは、メリットとデメリットの両方を正しく理解し、ご自身の目的やスキルレベル、かけられる時間や予算と照らし合わせて、WordPressが本当に最適な選択肢なのかを判断することです。そして、もしWordPressを選ぶのであれば、デメリットをカバーするための対策(継続的な学習、セキュリティ意識、信頼できるパートナー探しなど)をしっかりと行うことが、成功への鍵となります。
この記事が、あなたがWordPressについて理解を深め、最適なウェブサイト構築方法を選択するための一助となれば幸いです。
もし、「自分にはどのツールが合っているか分からない」「WordPressでサイトを作りたいけど、デメリットが不安…」「プロに相談しながら進めたい」と感じていらっしゃるなら、ぜひお気軽にご相談ください。500件以上のWordPressサイト制作実績を持つ専門家として、あなたの状況に合わせた最適なご提案や、制作・運用サポートを提供させていただきます。あなたのWebサイト成功への道のりを、全力で伴走いたします。