WordPressでサイトを立ち上げたばかりのあなたへ。「サイトマップ」という言葉を聞いて、「何だか難しそう…」「自分にも必要なのかな?」と不安に感じていませんか?ご安心ください。実は、WordPressを使えばサイトマップの作成は驚くほど簡単です。私はこれまでに500件以上のWordPressサイト制作に携わり、多くの方がサイトを成長させるお手伝いをしてきました。その経験から断言できるのは、サイトマップはWebサイトの成長を左右する重要な羅針盤であるということです。
この記事では、サイトマップの基本から、プラグインを使った具体的な作成手順、そしてGoogleにあなたのサイトを正しく認識させるための登録方法まで、専門用語を避けながら一つひとつ丁寧に解説します。読み終える頃には、あなたのサイトマップに関する全ての疑問が解消されているはずです。
そもそもWordPressサイトマップとは?2つの種類と役割を解説
サイトマップとは、その名の通り「サイトの地図」です。この地図には、「サイト訪問者(人間)向け」と「検索エンジン(ロボット)向け」の2種類があり、それぞれ異なる目的と役割を持っています。両方の特徴を理解することが、効果的なサイト運営の第一歩です。
HTMLサイトマップ(ユーザー向け)の役割
HTMLサイトマップは、サイトを訪れたユーザーが、サイト全体の構造を一覧で把握し、目的のページへたどり着きやすくするための案内ページです。通常、ウェブサイトのフッター(最下部)などに「サイトマップ」としてリンクが設置されています。
このサイトマップがあることで、ユーザーは迷うことなくサイト内を回遊でき、探している情報に素早くアクセスできます。結果としてユーザーの満足度が向上し、サイトからの離脱率低下にも繋がるため、ユーザビリティ(使いやすさ)を高める上で非常に重要な役割を果たします。
XMLサイトマップ(検索エンジン向け)の役割
XMLサイトマップは、GoogleやBingといった検索エンジンのクローラー(サイト情報を収集するロボット)に対して、サイト内にどのようなページが存在するかを伝えるためのファイルです。人間が直接見ることはほとんどなく、機械が読み取りやすいXMLという形式で記述されています。
クローラーは通常、ページからページへのリンクを辿ってサイト内を巡回しますが、新しいサイトやページ数が多いサイトでは、すべてのページを発見しきれないことがあります。XMLサイトマップを提出することで、クローラーにサイトの全ページのリストを 빠짐없이 伝えることができ、検索結果への迅速なインデックス登録(データベースへの登録)を促すことができます。これはSEO(検索エンジン最適化)の基本的な施策として極めて重要です。
【一覧表】HTMLサイトマップとXMLサイトマップの違い
2つのサイトマップの違いを簡単にまとめました。対象と目的が全く異なることを理解しておきましょう。
項目 | HTMLサイトマップ | XMLサイトマップ |
目的の対象 | サイト訪問者(人間) | 検索エンジン(ロボット) |
主な役割 | ユーザビリティの向上 | クローラビリティの向上 |
設置の効果 | サイト内回遊率の向上、離脱率の低下 | インデックス登録の促進 |
形式 | HTML(Webページ) | XML(データファイル) |
登録の要否 | 不要 | Googleサーチコンソールへの登録が必要 |
WordPressにサイトマップは必要?SEO効果と導入すべきケース
結論から言うと、特別な理由がない限り、WordPressサイトにはHTMLとXMLの両方のサイトマップを設置すべきです。サイトマップの設置は直接的に検索順位を押し上げるものではありませんが、サイト運営の土台を固める上で多くの間接的なメリットがあります。
サイトマップがもたらす3つのSEO上のメリット
- インデックス登録の促進と漏れの防止 XMLサイトマップを提出することで、検索エンジンにサイト内のページの存在を効率的に伝えられます。特に、公開したばかりの新しい記事や、サイトの階層が深い場所にあるページも、クローラーに発見されやすくなり、インデックスの遅延や漏れを防ぎます。
- クロールの効率化 検索エンジンは、サイトマップに記載された最終更新日などの情報を参考に、サイト内を効率的にクロールします。これにより、サイトに加えた変更点がより早く検索結果に反映される可能性が高まります。
- ユーザビリティ向上による間接的なSEO評価 HTMLサイトマップは、ユーザーがサイト内で迷わないように手助けします。ユーザーが快適にサイトを利用できることは「ユーザー体験(UX)」の向上に繋がり、滞在時間の増加や離脱率の低下といった良い指標を生み出します。Googleはこうしたユーザーの満足度も評価指標の一つとしているため、間接的にSEOへ良い影響を与えます。
特にサイトマップの作成を推奨するサイトの特徴
全てのサイトでサイトマップは有効ですが、特に以下のようなサイトではその重要性がさらに高まります。
- 新規に立ち上げたばかりのサイト 外部からのリンクが少ないため、検索エンジンに発見されにくい状態です。サイトマップでページの存在を積極的に通知する必要があります。
- ページ数が非常に多い大規模サイト(目安:500ページ以上) ページ数が多いと、クローラーが全てのページを巡回しきれない可能性があります。サイトマップで全体像を伝えることが重要です。
- サイト内のページ同士のリンクが少ないサイト ページが孤立しているとクローラーがたどり着けません。サイトマップでそれらのページの存在を補完します。
- 動画や画像などのリッチコンテンツを多く含むサイト サイトマップに追加情報を含めることで、テキスト以外のコンテンツも検索エンジンに正しく認識させることができます。
【XML編】WordPressサイトマップのおすすめ作成方法
それでは、検索エンジン向けの「XMLサイトマップ」を作成する方法を解説します。WordPressではプラグインを使うことで、専門知識がなくても安全かつ簡単に自動生成が可能です。
方法1:Google XML Sitemaps プラグインで作成する(推奨)
「Google XML Sitemaps」は、XMLサイトマップの作成に特化した、非常に有名で信頼性の高いプラグインです。長年にわたり多くのWordPressユーザーに利用されており、私もクライアントのサイト制作で頻繁に活用しています。インストールして有効化するだけで、最適なサイトマップが自動で生成・更新されるため、初心者の方に最もおすすめです。
Google XML Sitemapsのインストールと有効化
- WordPressの管理画面から「プラグイン」>「新規プラグインを追加」に進みます。
- 検索窓に「Google XML Sitemaps」と入力し、表示されたプラグインの「今すぐインストール」をクリックします。
- インストール完了後、「有効化」ボタンをクリックします。
これだけで、あなたのサイトにXMLサイトマップ(通常は sitemap.xml
というURL)が自動的に生成されます。
基本的な設定方法
有効化するだけで機能しますが、管理画面の「設定」>「XML-Sitemap」から、より詳細な設定が可能です。基本的には初期設定のままで問題ありませんが、「含めたいコンテンツの種類(投稿、固定ページなど)」や「除外したい特定のカテゴリ」などを任意で選択できます。
方法2:総合SEOプラグイン(All in One SEO等)で作成する
「All in One SEO (AIOSEO)」や「Yoast SEO」といった総合的なSEO対策プラグインをすでに利用している場合、それらのプラグインにもXMLサイトマップの作成機能が含まれています。
もしこれらのプラグインを導入済みであれば、別途「Google XML Sitemaps」をインストールする必要はありません。機能が重複すると、予期せぬ不具合の原因となる可能性があるため、必ずどちらか一つの機能だけを有効にしてください。通常、総合SEOプラグインをインストールすると、サイトマップ機能は自動で有効になっています。
方法3:WordPress標準機能(wp-sitemap.xml)を利用する
実は、WordPressバージョン5.5以降では、サイトマップの自動生成機能が標準で搭載されています。プラグインを何も入れなくても https://あなたのドメイン/wp-sitemap.xml
というURLでサイトマップが生成されています。
プラグイン利用時との違いと注意点
標準機能は非常に手軽ですが、プラグイン版に比べて機能が限定的です。例えば、「特定のページをサイトマップから除外する」「クロールの優先度を細かく設定する」といった柔軟なカスタマイズができません。
低品質なページや、検索結果に表示させたくないページも自動で含まれてしまう可能性があるため、サイトを本格的に運営し、SEOを意識するならば、より高機能なプラグインの利用を強く推奨します。
【HTML編】WordPressサイトマップのおすすめ作成方法
次に、サイト訪問者向けの「HTMLサイトマップ」の作成方法です。こちらもプラグインを使えば、記事を更新するたびに手作業でリンクを追加する必要がなく、完全に自動化できます。
WP Sitemap Page プラグインで簡単に作成する
「WP Sitemap Page」は、HTMLサイトマップを簡単に作成できる定番プラグインです。ショートコードと呼ばれる短いコードを固定ページに貼り付けるだけで、サイト内のページ一覧を自動で表示してくれます。
WP Sitemap Pageのインストールと設定手順
- WordPress管理画面で「プラグイン」>「新規プラグインを追加」に進み、「WP Sitemap Page」を検索してインストール・有効化します。
- 次に、サイトマップを表示させるための固定ページを作成します。「固定ページ」>「新規追加」をクリックし、タイトルを「サイトマップ」など分かりやすいものにします。
- 本文のブロックエディタで、ショートコードブロックを追加し、以下のコードを貼り付けます。
[wp_sitemap_page]
- ページを「公開」します。
これで、作成した固定ページにアクセスすると、サイト内のページ一覧がきれいに表示されたHTMLサイトマップが完成です。フッターメニューなどにこのページへのリンクを追加しておくと、ユーザーがアクセスしやすくなります。
作成したサイトマップをGoogleサーチコンソールに登録する全手順
XMLサイトマップは、作成しただけでは片手落ちです。「ここにサイトの地図がありますよ」とGoogleに知らせるために、Googleサーチコンソールへの登録作業が必須となります。この一手間を惜しまないことが重要です。
ステップ1:サイトマップのURLを確認する
まずは、登録するXMLサイトマップのURLを確認します。使用しているプラグインによってURLが異なります。
- Google XML Sitemaps の場合:
https://あなたのドメイン/sitemap.xml
- All in One SEO の場合:
https://あなたのドメイン/sitemap.xml
- WordPress標準機能の場合:
https://あなたのドメイン/wp-sitemap.xml
ブラウザのアドレスバーにこのURLを直接入力し、XML形式のコードが表示されれば、サイトマップは正しく生成されています。
ステップ2:GoogleサーチコンソールにログインしてURLを送信する
- Googleサーチコンソールにログインし、対象のサイトを選択します。
- 左側のメニューから「インデックス作成」セクションにある「サイトマップ」をクリックします。
- 「新しいサイトマップの追加」の欄に、先ほど確認したURLのドメイン名以降の部分(例:
sitemap.xml
)を入力します。 - 「送信」ボタンをクリックします。
ステップ3:送信後のステータスを確認する
送信が完了すると、「送信されたサイトマップ」のリストにURLが追加されます。ステータスが緑色で「成功しました」と表示されれば、無事に登録は完了です。Googleがサイトマップを認識し、今後のクロールに活用してくれるようになります。(反映には時間がかかる場合があります)
送信時にエラーが出た場合の主な原因と対処法
もしステータスが「エラー」や「取得できませんでした」となった場合、以下の点を確認してみてください。
- URLの入力ミス: 最も多い原因です。URLが正確か、もう一度確認しましょう。HTMLサイトマップのURLと間違えていないかもチェックしてください。
- サイトマップが存在しない: プラグインが有効化されていなかったり、何らかの理由でサイトマップが生成されていなかったりするケースです。ステップ1に戻ってURLにアクセスできるか確認してください。
- アクセス制限: サイトにパスワード(Basic認証)を設定していると、Googleのクローラーがアクセスできません。サイト公開時には認証を解除するか、特定のIPアドレスからのアクセスを許可する設定が必要です。
WordPressのnoindexとは?サイトマップとの関係性も解説
サイトマップを運用する上で、ぜひ知っておきたいのが noindex
という設定です。サイトマップが「このページを見てください」とクロールを促すアクセルの役割だとすれば、noindexは「このページは検索結果に出さないでください」とインデックスを拒否するブレーキの役割を果たします。この2つを使い分けることで、サイトの品質をGoogleに正しく評価させることができます。
noindexの基本的な意味とSEOにおける役割
noindex
とは、特定のページに設定するメタタグの一種で、検索エンジンに対して「このページを検索結果のデータベースに登録(インデックス)しないでほしい」と伝える指示です。
なぜこのような設定が必要かというと、Webサイトには必ずしも検索結果に表示させる必要のない、質の低いページや内容の薄いページが存在するからです。例えば、内容が重複しているページ、サンクスページ、テスト的に作成したページなどがこれにあたります。こうした低品質なページがインデックスされると、サイト全体の評価を下げてしまう可能性があるため、noindexを使って意図的に除外することがSEO上有効な戦略となります。
サイトマップとnoindex設定の適切な使い分け
サイトマップとnoindexは、以下のように使い分けるのが基本です。
サイトマップに含め、indexさせるべきページ
- ユーザーにとって価値のある、質の高いコンテンツ(ブログ記事、サービス紹介ページなど)
- サイトの主要な固定ページ(会社概要、お問い合わせなど)
これらのページは、積極的にクロールを促し、検索結果に表示されるべきページです。
サイトマップに含めず、noindexにすべきページ
- 内容の薄いページ、重複しているコンテンツ
- 検索結果に表示させる必要のないページ(サンクスページ、ログインページ、エラーページなど)
- 古い情報や期間限定のキャンペーンページ
- WordPressが自動生成するタグやカテゴリの一覧ページ(コンテンツが少ない場合)
これらのページはサイトマップから除外し、かつnoindex設定を行うことで、Googleに「サイト内の重要なページだけを見てください」と効率的にアピールできます。
WordPressでnoindexを設定する方法
noindexの設定は、All in One SEOやYoast SEOといった総合SEOプラグインを使えば、記事の編集画面から簡単に行えます。各ページのSEO設定項目に「検索エンジンにこの投稿/ページを表示させますか?」といった選択肢があり、「いいえ」を選ぶだけでnoindexタグが自動的に挿入されます。


WordPressサイトマップに関するFAQ(よくある質問)
最後に、私がお客様からよくいただくサイトマップに関する質問とその回答をまとめました。
Q1. サイトマップはいつ作成・登録するのがベストですか?
A1. WordPressサイトを公開したら、できるだけ早い段階で作成・登録するのが理想です。 サイト公開直後は検索エンジンにまだ認識されていない状態なので、サイトマップを送信することで、いち早くサイトの存在を知らせることができます。
Q2. サイトマップの内容は自動で更新されますか?
A2. はい、今回紹介したプラグインを使えば、記事を新規公開したり更新したりするたびに、サイトマップは自動で更新されます。 一度設定してしまえば、手動で何かを更新する必要はありません。
Q3. HTMLサイトマップとXMLサイトマップは両方必要ですか?
A3. はい、両方作成することを強く推奨します。 それぞれ「ユーザーのため」「検索エンジンのため」と目的が異なるため、両方を設置することで、サイトの評価を多角的に高めることができます。
Q4. 複数のプラグインでXMLサイトマップを作成しても良いですか?
A4. いいえ、絶対に避けてください。 例えば、「Google XML Sitemaps」と「All in One SEO」の両方でXMLサイトマップ機能を有効にすると、機能が衝突してサイトに不具合が生じたり、SEOに悪影響を及ぼしたりする可能性があります。XMLサイトマップを生成する機能は、必ず一つに絞ってください。
まとめ:サイトマップを正しく設定して、WordPressサイトの成長を加速させよう
今回は、WordPressサイトにおけるサイトマップの重要性から、プラグインを使った具体的な作成方法、そしてGoogleサーチコンソールへの登録手順までを詳しく解説しました。
- HTMLサイトマップは、訪問者の利便性を高める「おもてなしの地図」。
- XMLサイトマップは、検索エンジンにサイトの価値を伝える「SEOの設計図」。
この2つの地図を正しく設置することは、あなたのWordPressサイトを成長させていく上で、避けては通れない重要なステップです。最初は少し難しく感じるかもしれませんが、一度設定してしまえば、あとはプラグインが自動で管理してくれます。
この記事が、あなたのサイトマップに関する疑問や不安を解消する一助となれば幸いです。もし、「自分一人で設定するのはやっぱり不安…」「サイトマップだけでなく、もっと専門的なSEO対策やサイト改善について相談したい」と感じたなら、ぜひお気軽にご相談ください。私はWordPressサイト制作のプロとして、500件以上のサイト構築を通じて培った経験と知識で、あなたのビジネスの成長を力強くサポートします。まずは、あなたのサイトが持つ可能性について、お話をお聞かせください。