「WordPressのホームページにイベントの予約機能をつけたいけど、どうすればいいの?」そんなお悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。とくに初めてWordPressを使う方にとって、予約システムの導入はハードルが高く感じるものです。
この記事では、WordPressの予約プラグイン「Events Manager」の使い方と設定方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。Events Managerは、イベントやセミナー、ワークショップなどの予約受付をWordPress上で管理できる無料プラグインです。WordPress制作のプロの視点から、導入から設定、運用までの流れをていねいにお伝えしますので、読み終わる頃には「自分でもできそう」と感じていただけるはずです。
Events Managerとは?WordPressに予約機能を追加できるプラグイン
Events Manager(イベントマネージャー)とは、WordPress公式ディレクトリに登録されている無料のイベント管理プラグインです。かんたんに言うと、WordPressのホームページに「イベントの作成」「カレンダー表示」「予約受付」の3つの機能をまとめて追加できるツールになります。
このプラグインの大きな特徴は、「無料版でも予約フォームが使える」という点です。多くの予約系プラグインでは、予約フォーム機能が有料版でしか使えないケースがあります。その点、Events Managerは無料版の段階で予約受付の基本機能が含まれているため、コストをかけずに予約システムを試したい方にとって心強い選択肢と言えるでしょう。
主な機能を整理すると、イベント情報の登録と公開、繰り返しイベントの作成、カレンダーでの一覧表示、予約フォームによる申し込み受付、予約状況の管理画面での確認、メールによる自動通知といった機能が備わっています。
実際の制作現場では、教室やスクールの予約ページ、セミナーやワークショップの申し込みフォーム、地域イベントの告知カレンダーなどの用途でEvents Managerが活用されています。「定員のあるイベントの予約を受け付けたい」というニーズにぴったりのプラグインです。
ここで気になるのが、「Events Manager以外にも予約プラグインはあるの?」という点でしょう。WordPressには用途に応じたさまざまな予約プラグインが存在します。たとえば、美容室の時間枠予約や飲食店の席予約など、イベント形式ではない予約が必要な場合は、別のプラグインが適していることもあります。予約プラグインの選び方について詳しくは「WordPress予約システムプラグイン3選」で解説しています。
Events Managerのインストール方法
Events Managerのインストールは、WordPress管理画面から数クリックで完了します。特別な技術知識は必要ありません。
まず、WordPressの管理画面(ダッシュボード)にログインしてください。左側のメニューから「プラグイン」→「新規追加」をクリックします。
画面右上の検索ボックスに「Events Manager」と入力すると、検索結果にEvents Managerが表示されます。作者名が「Marcus Sykes」となっているプラグインが正しいものです。「今すぐインストール」ボタンをクリックし、インストールが完了したら「有効化」をクリックしましょう。
有効化が完了すると、管理画面の左メニューに「イベント」という項目が新しく追加されます。この項目が表示されていれば、インストールは成功です。
プロの視点で一つ注意点をお伝えすると、プラグインをインストールする前に「WordPressのバックアップ」を取っておくことをおすすめします。万が一プラグインが他の機能と競合した場合でも、バックアップがあれば元の状態に戻せるので安心です。
Events Managerの初期設定
Events Managerをインストールしたら、最初にやるべき初期設定があります。ここを正しく設定しておくことで、あとの運用がスムーズになります。
一般設定のポイント
管理画面の「イベント」→「設定」を開くと、Events Managerの設定画面が表示されます。最初に確認すべきは「一般」タブの内容です。
一般タブでは、イベントページのURL構造(パーマリンク)や、イベント一覧ページをどの固定ページに表示するかを設定できます。パーマリンク(かんたんに言うと、各イベントページのURLの形式のこと)は、初期設定のままでも問題なく動作します。
ただし、多くの制作案件で見てきた中で、「イベント一覧ページ」を固定ページとして指定しておくことをおすすめします。これにより、ホームページのメニューからイベント一覧へのリンクを設定しやすくなります。
予約機能の有効化
Events Managerの予約機能は、「デフォルトで有効」になっています。そのため、インストール直後から予約に関する設定項目が表示される状態です。もし予約機能を使わないイベントも扱う場合は、設定画面から無効にすることもできます。
「設定」画面の「予約」タブを開くと、「予約を有効にする」のチェックボックスがあります。予約受付を行う場合はオンのまま、予約不要の告知だけに使いたい場合はオフにしてください。
あわせて、「予約の承認方法」も確認しましょう。「自動承認」を選ぶと、申し込みがあった時点で自動的に予約が確定します。「手動承認」を選ぶと、管理者が承認するまで予約は保留状態になります。少人数のイベントであれば自動承認で十分ですが、定員管理を厳密に行いたい場合は手動承認が安心です。
メール通知の設定
予約が入った際の通知メールの設定も重要なポイントです。「設定」画面の「メール」タブから、メールの送信内容をカスタマイズできます。
設定できる主なメールは、「予約確認メール(申込者宛)」と「予約通知メール(管理者宛)」の2種類です。初期設定では英語のテンプレートが入っている場合があるため、日本語のホームページで使う場合は「日本語の文面に書き換える」ことを忘れないでください。
メール本文にはプレースホルダー(かんたんに言うと、イベント名や申込者名が自動で入る置き換え用の記号のこと)を使用できます。たとえば、#_BOOKINGNAME は予約した方(申込者)の名前に、#_EVENTNAME はイベント名に自動変換されます。実際の制作現場では、テスト予約を行ってメールの内容を確認することを必ず実施しています。
イベントの作成手順
初期設定が終わったら、実際にイベントを作成してみましょう。ここでは、イベントの作成から公開までの手順を順番に説明します。
イベントの基本情報を入力する
管理画面の「イベント」→「新規追加」をクリックすると、イベント作成画面が開きます。
最初に入力するのは「イベント名」です。WordPressの投稿画面と同じように、タイトル欄にイベントの名前を入力します。本文エリアには、イベントの詳細説明を自由に記述できます。参加者が知りたい情報(内容、対象者、持ち物など)をここに記載しましょう。
次に、画面下部にある「日時」セクションで、イベントの開催日と時間を設定します。開始日時と終了日時をそれぞれ指定してください。複数の日程で同じイベントを開催する場合は、「繰り返し」機能を使うと便利です。毎週・毎月などのパターンで自動的に複数の日程を作成できます。
「場所」の項目では、イベントの開催場所を登録できます。一度登録した場所は、次回以降のイベントでも選択肢として再利用できるため、同じ会場で定期的にイベントを開催する場合に便利です。
チケット(予約枠)を設定する
予約機能を有効にしている場合、イベント作成画面に「チケット」セクションが表示されます。ここで予約枠の設定を行います。
「チケット名」には予約枠の名前を入力します。たとえば「一般参加」「早割チケット」などです。無料イベントの場合は、チケット名を「参加申し込み」とし、料金を「0」に設定すれば問題ありません。
「定員数」の欄には、そのチケットの最大受付人数を入力します。定員に達すると、自動的に予約受付が締め切られる仕組みです。この「定員管理の自動化」がEvents Managerの大きなメリットの一つと言えます。
複数の種類のチケットを用意したい場合は、「チケットを追加」ボタンで枠を増やせます。たとえば「一般参加:3,000円、学生割引:1,500円」のように、料金の異なるチケットを同じイベント内に設定できます。
イベントを公開する
基本情報とチケットの設定が終わったら、画面右上の「公開」ボタンをクリックします。これでイベントがホームページ上に公開され、訪問者が予約できる状態になります。
公開後は、実際のイベントページを確認してみてください。イベント情報、予約フォーム、カレンダーへの表示がすべて正しく動作しているか、自分で一度テスト予約をしてみることを強くおすすめします。プロの視点では、「公開して終わり」ではなく「公開後の確認テスト」までがイベント作成の一連の作業です。
日本語サイトで必要な設定変更
Events Managerは海外製のプラグインのため、初期状態では日本語サイトに合わない設定がいくつかあります。ここでは、日本語サイトで使う際に「必ず変更しておきたい設定」を解説します。
通貨を日本円に変更する
Events Managerの初期設定では、通貨がドル(USD)になっています。有料イベントを扱う場合は、通貨を日本円に変更する必要があります。
「設定」→「予約」タブの中にある「通貨」の項目で、ドロップダウンから「JPY – Japanese Yen」を選択してください。これで料金表示が日本円に切り替わります。
あわせて確認したいのが「小数点以下の表示」です。日本円には小数点以下の単位がないため、「3,000.00円」のように不自然な表示になることがあります。この場合は、functions.php(かんたんに言うと、WordPressの動作をカスタマイズするためのファイルのこと)に小数点以下を非表示にするコードを追加するか、プラグインの書式設定で調整します。
具体的には、設定画面の「書式」タブで料金の表示フォーマットを確認し、小数点以下の桁数を「0」に設定することで解決できます。
日付・時間の表示形式を調整する
日付の表示形式も、初期設定では「月/日/年」という英語圏の並びになっている場合があります。日本語サイトでは「年/月/日」の表示が一般的なので、こちらも変更しておきましょう。
「設定」→「一般」タブ、または「書式」タブの中にある日付フォーマットの欄で、PHPの日付フォーマット(かんたんに言うと、日付の表示順序を指定するための書き方のこと)を修正します。たとえば「Y年n月j日」と入力すると「2026年4月3日」のように表示されます。
時間の表示も「AM/PM」形式から「24時間表記」に変更しておくと、日本語サイトでは自然な表示になります。フォーマット欄に「H:i」と入力すると「14:00」のような24時間表記になります。
多くの制作案件では、これらの日本語対応を最初にまとめて設定しています。あとから変更すると、すでに公開済みのイベントの表示にも影響するため、「イベントを作成する前に日本語設定を済ませておく」のがポイントです。
カレンダー表示とショートコードの活用
Events Managerには、イベントをカレンダー形式で表示する機能が標準で備わっています。カレンダー表示を使うことで、訪問者がイベントの日程をひと目で確認できるようになります。
カレンダーを固定ページや投稿に表示するには、ショートコード(かんたんに言うと、WordPressの投稿画面に貼り付けるだけで特定の機能を呼び出せる短いコードのこと)を使います。
もっとも基本的なショートコードは [events_calendar] です。このコードを固定ページの本文に貼り付けるだけで、月間カレンダーが表示されます。カレンダー上の日付をクリックすると、その日に開催されるイベントの一覧が表示される仕組みです。
イベントの一覧をリスト形式で表示したい場合は、[events_list] というショートコードが使えます。カレンダー形式とリスト形式を別々のページに配置して、目的に応じて使い分けるとよいでしょう。
ショートコードにはオプション(属性)を追加することもできます。たとえば [events_calendar category=”1″] のように記述すると、特定のカテゴリーに属するイベントだけをカレンダーに表示できます。イベントの種類が多いサイトでは、このカテゴリー機能を活用すると見やすさが大きく向上します。
なお、Events Managerをインストールすると、「イベント一覧」「場所一覧」「予約確認」などの固定ページが自動的に作成されることがあります。これらのページはプラグインが機能するために必要なものですので、「不要だから」と削除しないように注意してください。プロの視点では、自動作成された固定ページの存在を把握しておくことが、トラブル防止につながります。
Events Managerを使うときの注意点
Events Managerは便利なプラグインですが、導入前に知っておきたい注意点もあります。ここでは、実際に使ううえで気をつけたいポイントをまとめます。
まず、「管理画面が英語表示になる場合がある」という点です。WordPressの言語設定が日本語であっても、Events Managerのすべてのメニューが日本語化されているわけではありません。設定画面の一部は英語のまま表示されることがあります。ただし、操作に必要な主要部分はシンプルな英語なので、この記事の手順に沿って進めれば問題なく設定できます。
次に、「デザインのカスタマイズには知識が必要」という点です。Events Managerが出力するイベントページやカレンダーの見た目は、お使いのWordPressテーマ(かんたんに言うと、サイト全体のデザインテンプレートのこと)によって大きく異なります。テーマとの相性で表示が崩れる場合は、CSS(かんたんに言うと、ホームページの見た目を調整するための言語のこと)の修正が必要になることがあります。
また、「オンライン決済は有料版(Pro版)が必要」という点も重要です。無料版ではPayPalやクレジットカード決済に対応していません。有料イベントで決済まで完結させたい場合は、Events Manager Pro(有料版)の購入を検討するか、別の決済方法(銀行振込の案内など)を組み合わせる必要があります。
最後に、「プラグインの更新を怠らない」ことも忘れないでください。Events Managerに限らず、WordPressプラグインはセキュリティ修正やバグ修正のために定期的にアップデートが配信されます。古いバージョンのまま使い続けると、セキュリティ上のリスクが高まります。管理画面に更新通知が表示されたら、「早めにアップデートする」ことを習慣にしましょう。
よくある質問
Events Managerは無料で使えますか?
Events Managerは無料で使えます。WordPress公式ディレクトリからインストールでき、イベント作成、カレンダー表示、予約受付といった基本機能は無料版に含まれています。ただし、オンライン決済やカスタムフォームなどの高度な機能を使いたい場合は、有料版のEvents Manager Proが必要になります。
Events Managerは日本語に対応していますか?
Events Managerは部分的に日本語に対応しています。WordPressの言語設定を日本語にしていれば、主要なメニューや表示は日本語で表示されます。ただし、設定画面の一部や細かい項目は英語のまま残っている場合があります。通貨や日付の表示形式は手動で日本語サイト向けに変更する必要がありますので、この記事の「日本語サイトで必要な設定変更」のセクションを参考にしてください。
予約が入ったらメールで通知されますか?
Events Managerの設定画面でメール通知を有効にしていれば、予約が入った際に管理者宛てにメールが届きます。同時に、予約した方にも確認メールが自動送信されます。メールの文面はテンプレートで自由にカスタマイズできるため、日本語の案内文に書き換えてから運用を始めることをおすすめします。
Events ManagerとWP Event Managerは同じプラグインですか?
Events ManagerとWP Event Managerは別のプラグインです。名前が似ているため混同しやすいのですが、開発者も機能も異なります。Events Managerは予約フォーム付きのイベント管理プラグインで、WP Event Managerは対面・オンライン・ハイブリッドなど幅広いイベントのリスティング(一覧掲載)に対応した汎用イベント管理プラグインです。この記事で解説しているのはEvents Manager(作者:Marcus Sykes)の方ですので、インストール時にお間違えのないようご注意ください。
有料版(Events Manager Pro)は購入すべきですか?
有料版の購入は、必要な機能に応じて検討すれば十分です。無料版だけでも、イベント作成、予約受付、メール通知、カレンダー表示など基本的な機能はすべて使えます。PayPalやStripeによるオンライン決済、カスタム予約フォーム、複数サイトでの利用などが必要になった段階で、有料版へのアップグレードを検討するとよいでしょう。まずは無料版で試してみて、運用しながら判断するのがおすすめです。
まとめ
この記事では、WordPressの予約プラグイン「Events Manager」について、インストールから初期設定、イベント作成、日本語対応まで一通りの手順を解説しました。
Events Managerは、無料版でもイベント作成、カレンダー表示、予約受付の基本機能がそろっており、コストを抑えてイベント予約ページを作りたい方にとって有力な選択肢です。一方で、管理画面の一部が英語であることや、日本円・日付形式の変更が必要な点など、日本語サイトで使う際にはいくつかの初期設定が欠かせません。
大切なのは、「インストールして終わり」ではなく、通貨や日付の設定、メール文面の日本語化、公開後のテスト予約まで一連の流れとして取り組むことです。この記事の手順に沿って設定を進めていただければ、初めての方でも安心してEvents Managerを活用できるでしょう。