WordPressタグの正しい使い方|カテゴリーとの違いとSEO効果をプロが解説

WordPressで記事を書くとき、「タグ」の欄に何となくキーワードを入力していませんか?「カテゴリーと何が違うの?」「たくさん付けた方がSEOに良いの?」といった疑問を抱えながら、実はその真価を発揮させられていないケースが非常に多いです。500件以上のWordPressサイト制作に携わってきた経験から言えることですが、タグは単なる飾りではありません。正しく使えば読者の利便性を劇的に高め、サイト内を深く回遊してもらうための強力な武器になります。しかし、その使い方を誤ると、意図せずサイトのSEO評価を下げてしまう危険性も孕んでいます。

この記事では、WordPress制作のプロとして、タグの基本からカテゴリーとの明確な使い分け、そして検索エンジンに評価される戦略的な活用法まで、長年の経験で培った知識を余すことなくお伝えします。読了後には、自信を持ってタグを使いこなせるようになっているはずです。

この記事を書いた人

Webデザイナー・Webコンサルタント
Web制作会社、Web担当者を経て独立。17年以上の実務経験で培った制作スキルとSEOノウハウを活かし、現在はSTARRY代表としてWordPressサイト制作・集客サポートを提供。ランサーズ認定ランサー。ランキング上位受賞多数。

目次

WordPressのタグとは?基本を初心者向けに解説

WordPressにおける「タグ」とは、一言でいえば「記事の内容を表すキーワードや索引」のようなものです。投稿記事に対して、カテゴリーという大きな分類とは別に、より細かいキーワードで関連付けを行うための機能です。

タグの基本的な役割は「記事のキーワード」

例えば、あなたが料理ブログを運営しているとします。カテゴリーは「肉料理」「魚料理」「野菜料理」といった大きな分類です。ここで「鶏むね肉を使ったヘルシーなレシピ」という記事を書いた場合、カテゴリーは「肉料理」になります。

このとき、タグとして「鶏むね肉」「ヘルシー」「簡単レシピ」「ダイエット」などを設定します。これにより、読者は「鶏むね肉を使ったレシピをもっと見たい」と思ったときに、このタグをクリックするだけで、関連する記事を簡単に見つけ出すことができるのです。

タグを設定する2つの大きなメリット

タグを適切に設定することで、サイト運営者と読者の双方に大きなメリットが生まれます。

  1. 読者の利便性向上(ユーザビリティアップ) 読者が一つの記事を読み終えた後、関連する他の記事へスムーズに移動できるようになります。興味のあるキーワードを辿ってサイト内を巡ることができるため、知りたい情報にたどり着きやすくなります。
  2. サイト内回遊率の向上 読者がサイト内の多くのページを閲覧してくれる(=回遊する)ことで、一人あたりのページビュー数や平均滞在時間が増加します。これは、読者の満足度が高いことを示す指標となり、結果としてGoogleからのサイト評価向上にも繋がる可能性があります。

カテゴリーとタグの違い

WordPress初心者の方が最も混乱するのが、この「カテゴリー」と「タグ」の違いです。どちらも記事を分類する機能ですが、その役割と構造には明確な違いがあります。

役割と構造の決定的な違いを比較表で理解

この2つの違いを、以下の比較表で整理してみましょう。これが理解できれば、もう迷うことはありません。

項目カテゴリー (Category)タグ (Tag)
分類の役割記事を大まかに分類する(縦の分類)記事の特徴的なキーワードを補足する(横の分類)
本棚のジャンル(例:小説、ビジネス書)本に貼る索引シール(例:感動、マーケティング)
階層構造あり(親子関係を作れる)なし(すべて並列の関係)
1記事の数原則1つ(複数も可能だが非推奨)複数設定が可能
設定の必須必須任意
サイトでの重要度高い(サイトの骨格となる)中程度(記事を補足し、回遊を促す)

Google スプレッドシートにエクスポート

【使い分けの結論】カテゴリーは本棚、タグは付箋

一言で覚えるなら、カテゴリーは「本棚」、タグは「付箋(ふせん)」です。

カテゴリーは「ビジネス書」「小説」のように、サイトのテーマに沿って記事を大きな棚に分類します。サイトを訪れた人が、まず目的のジャンルを探すための道しるべです。そのため、サイト設計の初期段階でしっかりと計画する必要があります。

一方、タグは本に貼る「マーケティング」「感動」「初心者向け」といった付箋のようなものです。カテゴリーの棚を横断して、共通のキーワードを持つ本(記事)を探し出すのに役立ちます。

カテゴリーとタグで同じ名前を使うのはNG?

よくある間違いとして、カテゴリー名とタグ名を同じにしてしまうケースがあります。例えば、「Webデザイン」というカテゴリーを作り、記事に「Webデザイン」というタグを付けるのは推奨されません。

これは、役割が重複してしまい、せっかく分類している意味が薄れてしまうからです。読者にとっても、同じ名前のリンクが2つあると混乱の原因になります。カテゴリーとタグは、必ず異なる名前で、それぞれの役割に沿って設定しましょう。

WordPressでタグを使うメリットとSEOへの影響

タグをうまく活用することは、ユーザー体験を向上させるだけでなく、間接的にSEOにも良い影響を与える可能性があります。ただし、注意すべき点も存在します。

ユーザーの回遊性を高めサイト滞在時間を延ばす

前述の通り、タグは関連コンテンツへの内部リンクとして機能します。ユーザーが興味を持ったタグをクリックし、次々と関連する記事を読んでくれれば、サイト全体の滞在時間が延びます。

ユーザーの滞在時間が長いサイトは、Googleから「ユーザーにとって価値のある、満足度の高いサイト」と評価されやすくなります。これは、検索順位を決める上でのポジティブな要因の一つです。

【重要】タグページのSEO評価とnoindex設定の必要性

ここがタグを扱う上で最も重要なSEO上の注意点です。タグを設定すると、WordPressはそのタグがついた記事の一覧ページ(タグアーカイブページ)を自動で生成します。

このタグページは、適切に対策しないとSEO評価を下げる原因になりかねません。

タグページが低品質コンテンツと見なされる理由

自動生成されたタグページは、多くの場合、記事のタイトルと抜粋文がリスト表示されているだけです。そこには独自の価値あるコンテンツが存在しないため、Googleから「内容の薄い、低品質なページ」と判断される可能性があります。

また、複数のタグページの内容が似通ってしまうことで、「重複コンテンツ」と見なされるリスクも高まります。これらの要因は、サイト全体のSEO評価に悪影響を及ぼす恐れがあるため、対策が必須です。

SEOプラグインを使ったnoindex設定方法

この問題への最も一般的で効果的な対策は、タグページを検索エンジンのインデックス対象から除外する「noindex」設定を行うことです。これにより、タグページが検索結果に表示されなくなり、低品質ページとして評価されるリスクを回避できます。

この設定は、「All in One SEO」や「Yoast SEO」、「SWELL」などの高機能なテーマであれば標準で備わっているSEO設定項目から、マウス操作だけで簡単に行うことができます。WordPressサイトを立ち上げたら、必ずこの設定を確認・実施するようにしてください。

タグの推奨する使用例

では、具体的にどのようなタグを設定すれば効果的なのでしょうか。500件以上のサイト制作で実践してきた、効果の高いタグの付け方を紹介します。

記事の重要なキーワードを抽出して設定する

最も基本的な考え方は、その記事のテーマとなっている重要なキーワードをタグに設定することです。記事タイトルや見出しに含まれるキーワード、本文中で何度も登場するキーワードなどが候補になります。

例えば、「WordPress 初心者向け 初期設定 方法」という記事であれば、「初期設定」「初心者向け」などがタグの候補です。

複数のカテゴリーにまたがる横断的なキーワードを設定する

タグの真価が発揮されるのが、この横断的なキーワードです。「料理ブログ」の例で言えば、「時短レシピ」というタグは、「肉料理」カテゴリーの記事にも「野菜料理」カテゴリーの記事にも付けることができます。

このようにカテゴリーの垣根を越えて関連する記事を結びつけることで、読者はより広い視野で情報を探せるようになります。

ユーザーが知りたいであろう「深掘りキーワード」を設定する

ユーザーが次に知りたくなるであろう一歩踏み込んだキーワードをタグにするのも有効です。例えば、Web制作に関する記事で「コーディング」について書いたとします。その際、「Flexbox」「CSSグリッド」といった、関連する具体的な技術名をタグにしておくことで、より専門的な情報を求めるユーザーのニーズに応えることができます。

WordPressタグの正しい設定・管理方法

ここでは、WordPressの管理画面で実際にタグを設定・管理する基本的な操作方法を解説します。

基本的なタグの新規作成とスラッグ設定

タグは、あらかじめ管理画面で作成しておく方法が最も確実です。

  1. WordPress管理画面の左メニューから「投稿」>「タグ」を選択します。
  2. 「新規タグを追加」の画面で、「名前」にタグ名(例:WordPress高速化)を入力します。
  3. 「スラッグ」には、そのタグのURLになる文字列を半角英数字とハイフンで入力します(例:wp-speed-up)。スラッグを日本語のままにするとURLが長くなり扱いにくいため、必ず設定しましょう。
  4. 「新規タグを追加」ボタンをクリックして完了です。

投稿編集画面からタグを追加・設定する手順

記事を執筆しながらタグを追加することもできます。

  1. 投稿編集画面の右側にある「タグ」の項目に、設定したいタグ名を入力します。
  2. Enterキーを押すか、「追加」ボタンをクリックするとタグが設定されます。
  3. すでにあるタグは、数文字入力すると候補が表示されるので、選択するだけで簡単に追加できます。

既存のタグを編集・削除する方法

タグの名前やスラッグを変更したり、不要になったタグを削除したりするのも「投稿」>「タグ」の画面から行います。

一覧から目的のタグにカーソルを合わせると「編集」「クイック編集」「削除」のメニューが表示されるので、目的に応じて操作してください。タグを削除しても、そのタグが設定されていた記事自体が削除されることはありません。

投稿一覧からタグを一括編集する裏ワザ

複数の記事にまとめて同じタグを追加したい場合、一つずつ記事を開くのは大変です。そんな時は、「投稿」>「投稿一覧」画面の「一括操作」機能を使いましょう。

タグを追加したい記事にチェックを入れ、一括操作で「編集」を選んで「適用」をクリックすると、複数の記事のタグを一度に編集する画面が表示され、大幅な時間短縮が可能です。

やってはいけない!WordPressタグのNGな使い方と注意点

良かれと思ってやっているタグ設定が、実は逆効果になっているかもしれません。ここでは、多くの人が陥りがちなNGな使い方を解説します。

注意点1:タグの付けすぎ(最適な数は3〜5個)

タグは多ければ多いほど良い、というわけではありません。あまりに多くのタグが付いていると、情報が散らかってしまい、読者はどのタグが重要なのか判断できなくなります。

1つの記事に設定するタグの数は、多くても3個から5個程度に絞り込むのが理想的です。本当にその記事を的確に表すキーワードだけを厳選しましょう。

注意点2:表記の揺れ(名称ルールの統一)

例えば、「WordPress」と「ワードプレス」、「Webサイト」と「ウェブサイト」のように、同じ意味でも表記が異なるタグを作成してしまう「表記の揺れ」は絶対に避けるべきです。

これらは別々のタグとして認識されてしまい、タグが正しく機能しなくなります。サイト内で使用するタグの名称ルールをあらかじめ決めておき、必ず統一するようにしてください。

注意点3:1記事しか該当しないタグの乱立

タグは複数の記事を結びつけるための機能です。そのタグをクリックしても1記事しか表示されないのでは、読者をがっかりさせてしまいます。

特定の記事にしか使えないような、あまりにニッチすぎるキーワードをタグにするのは避けましょう。

注意点4:カテゴリーとの役割の混同

これまで何度も説明してきた通り、カテゴリーとタグの役割は明確に異なります。記事の分類がうまくできていないと感じる場合、この2つの役割が混同してしまっていることが多いです。

迷ったときは、「この記事の置き場所はどこか?(=カテゴリー)」「この記事にはどんなキーワードの付箋を貼るか?(=タグ)」と自問自答してみることをお勧めします。

WordPressのタグに関するよくある質問(FAQ)

最後に、タグに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q. タグのスラッグは日本語でも良いですか?

A. 技術的には可能ですが、推奨しません。 日本語のスラッグはURL内でエンコード(変換)されて非常に長い文字列になり、見た目が悪く、SNSでのシェア時などに不便です。スラッグは必ず半角英数字とハイフンで設定するようにしましょう。

Q. 過去記事のタグを後から変更しても大丈夫ですか?

A. はい、問題ありません。タグの整理や見直しは、サイト運営において重要です。ただし、タグのスラッグを変更するとタグページのURLも変わるため注意が必要です。とはいえ、前述の通りタグページは noindex にしているはずなので、SEO上の大きな影響は心配しなくて良いでしょう。

Q. タグとカテゴリー、SEOに重要なのはどちらですか?

A. どちらも重要ですが、役割が異なります。 サイト全体の構造を定義し、Googleにサイトのテーマ性を伝える上では「カテゴリー」がより重要です。一方、「タグ」はユーザーのサイト内回遊を促し、滞在時間を延ばすことで間接的にSEOに貢献します。どちらか一方ではなく、両方を正しく使い分けることが最も重要です。

まとめ:WordPressタグを正しく理解し、ユーザーに愛されるサイトを育てよう

この記事では、WordPressのタグについて、カテゴリーとの違いから具体的な設定方法、そしてSEOを意識した戦略的な活用法まで、プロの視点から網羅的に解説しました。

タグは、単なるキーワードの羅列ではありません。読者の知的好奇心を満たし、サイトの隅々まで探検してもらうための「案内役」です。

  • カテゴリーはサイトの「骨格」となる縦の分類。
  • タグは記事同士を繋ぐ「神経」となる横の分類。
  • タグページは noindex に設定し、SEOリスクを回避する。
  • 数は絞り、表記を統一し、計画的に運用する。

これらのポイントを押さえるだけで、あなたのサイトはもっと読者にとって分かりやすく、価値のあるものへと成長するはずです。

もし、「自分のサイトのタグ設定が正しいか見てほしい」「WordPressサイトの集客について、もっと専門的なアドバイスが欲しい」とお考えでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。15年以上のホームページ制作で培った経験と知識で、あなたのビジネスの成功を力強くサポートします。

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