「WordPressにPDF資料を埋め込みたいけど、どうすればいいんだろう?」 「プラグインが必要って聞くけど、どれを使えばいいか分からない…」 「PDFを埋め込んだら、スマホで見たときに表示が崩れてしまった…」
WordPressサイトを運営していると、セミナー資料や製品マニュアル、レストランのメニューといったPDFファイルをサイトに掲載したい場面が必ず出てきます。しかし、やり方が分からなかったり、いざ試してみても表示がうまくいかなかったり、といったお悩みは非常に多いです。
この記事では、WordPressの専門家である私が、
- プラグインを使う方法と使わない方法の比較
- スマホでも綺麗に表示させるための秘訣
- あなたに最適なPDF埋め込み方法の選び方
といった、WordPressへのPDF埋め込みに関するあらゆる疑問に答え、具体的な手順を徹底的に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたのサイトで自由自在にPDFを操れるようになり、ユーザーにとってより価値のあるコンテンツを提供できるようになっているでしょう。
なぜWordPressにPDFの埋め込みが必要?3つのメリット
PDFの埋め込み方法を解説する前に、なぜそれが重要なのか、3つのメリットを確認しておきましょう。目的が明確になることで、より効果的な活用ができます。
メリット1:ユーザー体験の向上
最大のメリットは、ユーザー体験(UX)の向上です。PDFを埋め込むことで、訪問者はサイトから離れることなく、ページ内で直接資料を閲覧できます。ファイルをいちいちダウンロードする手間が省けるため、ストレスなく情報を得ることができ、サイトへの満足度が高まります。
メリット2:コンテンツの多様化と信頼性アップ
記事や画像だけでなく、PDFという形式で情報を提供することで、コンテンツに厚みが出ます。詳細なデータや報告書、公的な資料などをPDFで示すことで、コンテンツの専門性や信頼性を高める効果も期待できます。
メリット3:SEOへの好影響
意外と知られていませんが、PDFファイル自体もGoogleの検索対象となります。ファイル名やPDF内のテキスト、プロパティ情報がインデックスされるため、新たな検索流入のきっかけになる可能性があります。また、ユーザー体験の向上は、サイトの滞在時間延長にも繋がり、間接的にSEOへ良い影響を与えます。
WordPressにPDFを埋め込む3つの方法
それでは、本題であるPDFの埋め込み方法です。大きく分けて3つの方法があり、それぞれに特徴があります。
方法1:プラグインなしでPDFを埋め込む(標準機能)
まずは、余計なプラグインをインストールせずに、WordPressにもともと備わっている機能だけでPDFを埋め込む方法です。手軽に試せるのが最大のメリットです。
WordPressの「ファイル」ブロックを使う手順
現在のWordPressブロックエディタ(Gutenberg)を使っている場合、これが最も簡単な方法です。
- WordPressの管理画面から、PDFを埋込みたい投稿または固定ページの編集画面を開きます。
- 編集画面のPDFを挿入したい位置に、お使いのパソコン上にあるPDFファイルを直接ドラッグ&ドロップします。
- これだけで、WordPressが自動的に「ファイル」ブロックを生成し、記事内にPDFのファイル名とダウンロードボタンが表示され、埋め込みが完了します。
- もしドラッグ&ドロップがうまくいかない場合は、ブロックを追加する「+」アイコンから「ファイル」ブロックを選択し、「アップロード」または「メディアライブラリ」からPDFファイルを選択することでも、同様の操作が可能です。
HTMLの<iframe>タグで埋め込む方法
少しHTMLの知識が必要ですが、表示サイズなどを細かく指定したい場合に有効な方法です。
- まず、メディアライブラリにPDFをアップロードし、そのPDFのURL(ファイルのURL)をコピーします。
- 投稿の編集画面で「カスタムHTML」ブロックを追加します。
<iframe src="コピーしたPDFのURL" width="100%" height="500px"></iframe>
のようにコードを記述します。width
(横幅)やheight
(高さ)の数値を変更することで、表示サイズを自由に調整できます。
シンプルなダウンロードリンクを設置する方法
埋め込み表示はせず、訪問者にPDFをダウンロードしてもらうことだけが目的であれば、これが最もシンプルな方法です。
- メディアライブラリにPDFをアップロードし、そのURLをコピーします。
- 記事内のテキストを選択し、リンク挿入ボタンをクリックして、コピーしたPDFのURLを貼り付けます。これで、テキストをクリックするとPDFが開くリンクが完成します。
方法2:プラグインでPDFを埋め込む(最も推奨)
ここまでプラグインなしの方法を紹介しましたが、ほとんどの場合、プラグインを使って埋め込むことを強く推奨します。その理由は後ほど詳しく解説します。
WordPressおすすめPDF埋め込みプラグイン5選
世の中には多くのPDF関連プラグインがありますが、これまで500件以上の制作で試してきた中で、信頼性が高く使いやすいプラグインを5つ厳選して紹介します。
- PDF Embedder(最も定番) シンプルさと安定性で絶大な人気を誇る定番プラグインです。難しい設定は不要で、有効化すればすぐに使えます。無料版でもページの切り替えや拡大・縮小といった基本機能は十分備わっており、ほとんどのニーズはこれで満たせるでしょう。
- EmbedPress(多機能性No.1) PDFだけでなく、YouTube動画、Googleマップ、SNS投稿など、あらゆるコンテンツを埋め込める「万能埋め込みプラグイン」です。PDFのためだけにプラグインを増やしたくない、という方には最適です。
- PDF.js Viewer より高機能なビューワーを求める方向けのプラグインです。スクロール、検索、印刷、ダウンロード、ドキュメント保護など、まるでデスクトップアプリのような多機能性をWordPress上で実現します。
- Algori PDF Viewer PDF Embedderと同様にシンプルな操作性が特徴のプラグインです。ブロックエディタに完全対応しており、直感的にPDFの埋め込みが可能です。
- PDF Poster PDFを画像のようにページに直接貼り付けられるプラグインです。1ページのチラシやポスターなどを見せたい場合に特に有効で、クリーンな表示が特徴です。
方法3:外部サービス(SlideShare)を利用して埋め込む
これは少し特殊な方法ですが、サーバーの負荷を軽減したい場合に有効です。プレゼンテーション共有サイトである「SlideShare」にPDFをアップロードし、その共有URLをWordPressの「埋め込み」ブロックに貼り付けるだけで、記事内に表示できます。
結局どれがいい?PDF埋め込み方法のメリット・デメリットを徹底比較
3つの方法を紹介しましたが、「結局、自分はどれを使えばいいの?」と迷ってしまいますよね。ここで各方法のメリット・デメリットを整理し、あなたに最適な方法を選ぶ手助けをします。
プラグインを使わない場合のメリット・デメリット
- メリット
- プラグインを増やさずに済むため、サイトの管理が煩雑にならない。
- 他のプラグインとの干渉や、アップデートに伴う不具合のリスクがない。
- デメリット
- スマホでの表示が崩れやすい(最大のデメリット)。
- ページめくりや拡大・縮小などの便利な機能がない。
- デザインのカスタマイズ性が低い。
プラグインを使う場合のメリット・デメリット
- メリット
- スマホでも綺麗に表示されるレスポンシブ対応。
- ページめくりやズームなど、ユーザーにとって便利な機能が豊富。
- ショートコードや専用ブロックで、誰でも簡単に埋め込みができる。
- デメリット
- プラグインをインストール・管理する手間がかかる。
- 質の低いプラグインは、サイトの表示速度を低下させたり、セキュリティ上のリスクになったりする可能性がある。
【結論】ほとんどのケースでプラグイン利用が最適解
比較すると明らかですが、特別な理由がない限りは、信頼性の高いプラグイン(PDF Embedderなど)を利用するのが最も確実で、訪問者の満足度も高い選択と言えます。特にスマホからのアクセスが半数以上を占める現代において、スマホでの表示崩れリスクがあるプラグインなしの方法は、積極的には推奨できません。
【最重要】PDF埋め込みで失敗しないための3つのポイント
PDFをただ埋め込むだけでなく、以下の3つのポイントを意識することで、サイトの品質をさらに高めることができます。
ポイント1:スマホでの表示崩れを防ぐレスポンシブ対応
繰り返しになりますが、これが最も重要です。必ずプラグインを利用するか、<iframe>
タグで幅をwidth="100%"
と指定するなどして、スマホユーザーが見やすいように配慮しましょう。公開前に必ず自身のスマートフォンで表示を確認する癖をつけることが大切です。
ポイント2:ページの表示速度を落とさないためのPDF軽量化
何十MBもあるような大容量のPDFは、ページの読み込み速度を著しく低下させ、ユーザーの離脱やSEO評価の低下に繋がります。PDFを作成する際に、Web表示用に解像度を最適化したり、オンラインの無料圧縮ツールを使ったりして、できるだけファイルサイズを小さくすることを心がけましょう。
ポイント3:SEO効果を高めるPDFの最適化
PDFファイル自体も、Googleの検索対象となります。ファイル名にキーワードを含めたり、WordPressのメディアライブラリでタイトルや説明文を適切に設定したりすることで、PDFファイルが検索結果に表示され、サイトへの新たな流入経路となる可能性があります。
WordPressのPDF埋め込みに関するよくある質問(FAQ)
Q. 埋め込んだPDFが表示されません。
A. いくつか原因が考えられます。まずはブラウザのキャッシュをクリアして再確認してみてください。それでも表示されない場合は、PDFファイル自体が破損していないか、一度ローカルで開けるか確認しましょう。また、プラグインを利用している場合は、他のプラグインとの干渉も考えられるため、一度他のプラグインを無効化して試してみるのも有効です。
Q. アップロードできるPDFのファイルサイズに上限はありますか?
A. はい、あります。WordPressや利用しているレンタルサーバーの設定によって、一度にアップロードできるファイルサイズの上限が定められています。上限を超える場合は、サーバーの設定を変更するか、前述の通りPDFファイルを圧縮してサイズを小さくする必要があります。
Q. PDFのプレビューがメディアライブラリで表示されません。
A. これはサーバーの設定によるものが多く、特に異常ではありません。メディアライブラリでプレビューが表示されなくても、ファイル自体は問題なくアップロードされており、ページへの埋め込みは正常に行えることがほとんどです。
まとめ:最適なPDF埋め込みでサイトの価値を高めよう
この記事では、WordPressサイトにPDFを埋め込むための様々な方法を、メリット・デメリットを比較しながら解説しました。
- PDFの埋め込みはプラグイン(特にPDF Embedder)を使うのが最も簡単で確実。
- スマホでの表示確認は必ず行うこと。
- ファイルサイズを軽量化することで、ユーザー体験とSEO評価を損なわない。
これらのポイントを押さえることで、あなたのサイトはより多くの情報を効果的に伝え、訪問者にとっての利便性も格段に向上するはずです。
もし、「自分での設定はやはり難しい」「もっと高度なPDF活用や、サイト全体の改善について相談したい」と感じた方がいらっしゃいましたら、いつでもお気軽にご相談ください。500件以上のサイト制作経験を活かし、あなたのビジネスを加速させる最適なウェブサイトをご提案させていただきます。