WordPressサイトを立ち上げたばかりのあなたへ。「スラッグ」という言葉を聞いて、何のことか分からず戸惑っていませんか?「パーマリンクと何が違うの?」「設定方法がよくわからない」「SEOに影響するって本当?」そんな疑問や不安を抱えているかもしれません。実は、このスラッグを適切に設定することは、読者にとっても検索エンジンにとっても分かりやすいサイトを作るための、非常に重要な第一歩なのです。
Web制作の現場で500サイト以上のWordPressサイト構築に携わってきた経験から断言しますが、多くの方がこのスラッグ設定の重要性を見過ごしてしまっています。しかし、ご安心ください。この記事を最後まで読めば、スラッグに関するあなたの全ての疑問が解消されます。
この記事では、スラッグの基本的な意味から、SEOに効果的な設定方法、変更する際の注意点やリスク管理まで、専門用語を避けながら一つひとつ丁寧に解説します。この記事を読むことで、あなたは自信を持って最適なスラッグを設定できるようになり、Webサイトの価値をさらに高めることができるでしょう。
WordPressのスラッグとは?基本をわかりやすく解説
WordPressにおけるスラッグ(slug)とは、WebページのURLの一部となる文字列のことを指します。具体的には、ドメイン名の後に入る、そのページの内容を簡潔に表す部分です。
例えば、当サイトのドメインが https://example.com
で、この記事のURLが https://example.com/wordpress-slug
だとすると、「wordpress-slug
」の部分がスラッグにあたります。
WordPressでは、投稿ページ、固定ページ、カテゴリー、タグなど、様々なページでこのスラッグを個別に設定することができます。このスラッグを適切に設定することで、ユーザーや検索エンジンが「このページには何が書かれているのか」を一目で理解できるようになります。
スラッグとパーマリンクの違い
初心者の方が混乱しやすいのが「スラッグ」と「パーマリンク」の違いです。この2つは密接に関連していますが、意味は異なります。
- パーマリンク (Permalink): Webページ毎に設定される恒久的な(Permanent)URL全体を指します。例えば、
https://example.com/wordpress-slug
というURLそのものがパーマリンクです。 - スラッグ (Slug): そのパーマリンク構造の一部を構成する、ページ固有の文字列です。上記の例では
wordpress-slug
の部分です。
つまり、パーマリンクという大きな枠組みの中に、スラッグという要素が含まれていると理解すると分かりやすいでしょう。WordPressの「設定」→「パーマリンク設定」でサイト全体のURL構造を決め、個別の記事編集画面でその中の一部であるスラッグを編集する、という関係性です。


なぜ重要?WordPressでスラッグがSEOに与える影響
スラッグは単なるURLの一部ではありません。SEO(検索エンジン最適化)の観点から見ても、非常に重要な役割を担っています。適切に設定されたスラッグは、検索エンジンとユーザーの両方にメリットをもたらします。
検索エンジンにとってのメリット
Googleなどの検索エンジンは、URLに含まれる情報もコンテンツを理解するための一つの手がかりとして利用します。
例えば、https://example.com/archives/123
というURLよりも、https://example.com/wordpress-slug-setting
というURLの方が、検索エンジンは「この記事はWordPressのスラッグ設定について書かれているな」と正確に認識できます。
スラッグに対策キーワードを英語で含めることで、そのページが特定のトピックと関連性が高いことを検索エンジンに伝え、検索結果での評価向上に繋がる可能性があります。
ユーザーにとってのメリット
分かりやすいスラッグは、ユーザーにとっても親切です。検索結果やSNSでURLを見ただけで、ユーザーは「この記事は自分の知りたい情報が書かれていそうだ」と判断できます。
- クリックされる前に内容が推測できる:
.../how-to-cook-curry
というスラッグなら、カレーの作り方が書かれているとすぐに分かります。 - 信頼感の向上: 意味不明な文字列やIDだけのURLよりも、内容を示す単語で構成されたURLの方が、ユーザーに安心感を与え、クリック率の向上に繋がります。
このように、スラッグは検索エンジンとユーザー双方の理解を助ける、サイトのユーザビリティとSEOの基礎となる要素なのです。
【WordPress初心者必見】スラッグの最適な設定方法とルール
それでは、実際にどのようにスラッグを設定すれば良いのでしょうか。ここでは、SEO効果と分かりやすさを両立させるための、最適なスラッグの決め方とルールを解説します。500件以上のサイト制作経験から導き出した、最も効果的な方法です。
ルール1:英語(またはローマ字)で設定する
スラッグは日本語ではなく、英語(もしくはローマ字の小文字)で設定することを強く推奨します。日本語のままスラッグを設定すると、URLとしては有効ですが、コピー&ペーストした際などにエンコードされてしまい、非常に長くて意味不明な文字列に変換されてしまいます。
- 日本語スラッグの例:
https://example.com/ワードプレス-スラッグ
- エンコードされたURL:
https://example.com/%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9-%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B0
このようなURLは、ユーザーに不信感を与え、SEOの観点からも推奨されません。必ず半角英数字で設定しましょう。
ルール2:単語の区切りはハイフン「-」を使う
スラッグを複数の単語で構成する場合は、アンダースコア「_
」ではなく、ハイフン「-
」で区切るのが一般的です。
Googleも公式にハイフンを単語の区切り文字として認識することを推奨しています。例えば「wordpress slug setting」という内容であれば、wordpress-slug-setting
とするのが最適です。
推奨: wordpress-slug-setting
非推奨: wordpress_slug_setting
非推奨: wordpressslugsetting
ルール3:シンプルで分かりやすく、短くする
スラッグは、そのページの内容を簡潔に、そして具体的に表現することが理想です。不要な単語(a
, the
, of
など)は省略し、重要なキーワードだけを残すように心がけましょう。
URLが長すぎると、ユーザーが覚えにくく、検索結果でも途中で省略されてしまう可能性があります。2〜4語程度のキーワードで構成するのが目安です。
ルール4:キーワードを含める
スラッグには、そのページで対策しているメインターゲットのキーワードを含めるとSEO的に効果的です。
例えば、「WordPress プラグイン おすすめ」というキーワードを狙う記事であれば、スラッグは wordpress-plugin-recommend
のように設定します。これにより、検索エンジンとユーザーの両方に、ページの内容をより明確に伝えられます。
【実践】WordPressでのスラッグ設定・変更手順
ここからは、実際のWordPress管理画面を見ながら、スラッグの設定・変更手順を解説します。投稿、固定ページ、カテゴリー、タグのそれぞれについて説明します。
投稿・固定ページのスラッグ設定
投稿や固定ページのスラッグは、記事の編集画面から簡単に設定できます。
- WordPressの管理画面から「投稿」→「新規追加」または既存の記事の編集画面を開きます。
- 記事のタイトルを入力すると、その下に「パーマリンク」という項目が表示されます。
- URLスラッグの右側にある「編集」ボタン(またはURLスラッグ自体)をクリックします。
- テキストボックスが表示されるので、前述のルールに従って最適なスラッグを入力します。
- 「OK」ボタンを押し、最後に記事全体を「公開」または「更新」すれば設定完了です。
カテゴリーのスラッグ設定
カテゴリーのスラッグも、専用の管理画面から設定します。
- 管理画面の「投稿」→「カテゴリー」に移動します。
- 新規でカテゴリーを作成する場合は、「名前」と「スラッグ」を入力して「新規カテゴリーを追加」をクリックします。スラッグを空欄にすると、カテゴリー名がそのままスラッグになってしまうため、必ず英語で入力しましょう。
- 既存のカテゴリーのスラッグを変更する場合は、カテゴリー一覧から該当するものにカーソルを合わせ、「クイック編集」または「編集」をクリックしてスラッグを修正し、「更新」ボタンを押します。
投稿の編集画面からも新しいカテゴリーを追加できますが、その方法ではスラッグが日本語名のまま自動生成されてしまいます。投稿の編集画面から新規でカテゴリーを追加した場合、手動でスラッグを設定できないため、必ずこの「カテゴリー」専用画面から事前に作成・設定するようにしてください。
タグのスラッグ設定
タグのスラッグ設定も、カテゴリーとほぼ同じ手順です。
- 管理画面の「投稿」→「タグ」に移動します。
- 新規作成の場合は「名前」と「スラッグ」を入力し、「新規タグを追加」をクリックします。
- 既存のタグを変更する場合は、一覧から対象のタグを選び、「クイック編集」または「編集」でスラッグを修正して更新します。
タグも投稿の編集画面からも新しいタグを追加できますが、その方法ではスラッグが日本語名のまま自動生成されてしまいます。投稿の編集画面から新規でタグを追加した場合、手動でスラッグを設定できないため、必ずこの「タグ」専用画面から事前に作成・設定するようにしてください。
公開後にスラッグを変更する際のリスクと必須の対処法
「既に公開してしまった記事のスラッグを、後から変更しても大丈夫?」という質問をよく受けます。結論から言うと、慎重な対応が必要ですが、正しい手順を踏めば変更は可能です。しかし、何も対策せずスラッグを変更すると、重大な問題が発生する可能性があります。
スラッグ変更の最大のリスク:リンク切れ
スラッグを変更するということは、ページのURLが変わるということです。URLが変わると、以前のURLにアクセスしても「404 Not Found(ページが見つかりません)」というエラーが表示されるようになります。
これにより、以下のような深刻な問題が発生します。
- SEO評価の喪失: 検索エンジンが蓄積してきたそのページの評価がリセットされてしまいます。
- 被リンクの無効化: 他のサイトから貼られたリンク(被リンク)が無効になり、サイト全体の評価が下がる原因になります。
- ユーザー体験の低下: サイト内リンクやブックマークからアクセスしたユーザーをがっかりさせてしまいます。
必須の対処法:301リダイレクトの設定
このリンク切れ問題を解決するために必須となるのが、**「301リダイレクト」**の設定です。
301リダイレクトとは、古いURLへのアクセスを、新しいURLへ恒久的に自動転送する仕組みです。これを設定することで、ユーザーや検索エンジンが古いURLにアクセスしても、自動的に新しいURLのページが表示されるようになります。
さらに、検索エンジンに対して「このページは完全に新しいURLに引っ越しました」と伝えることができるため、以前のURLが持っていたSEO評価を、新しいURLに引き継がせることができます。
スラッグを変更した際は、必ずこの301リダイレクト設定をセットで行うことを徹底してください。設定は、.htaccess
ファイルを直接編集するか、Redirection
のような専用プラグインを使うと簡単に行えます。
【応用編】WordPressスラッグの便利なカスタマイズ
基本的な設定方法に加え、プラグインなどを活用することで、スラッグをさらに便利に管理・カスタマイズすることができます。
プラグインによるスラッグの自動変換
毎回英語のスラッグを考えるのが面倒、という方には、スラッグを自動で最適化してくれるプラグインが便利です。
- Auto-Post-Slug: 記事タイトルを元に、自動で英語やローマ字のスラッグを生成してくれるプラグインです。日本語タイトルを翻訳してスラッグにしてくれる機能もあります。
- Custom Permalinks: ページごとにパーマリンク構造自体を自由に変更できる高機能なプラグインです。
これらのプラグインを使えば、スラッグ設定の手間を省き、命名規則の統一化を図ることができます。
スラッグの重複を防ぐ仕組み
WordPressには、同じスラッグが使われないようにする仕組みが備わっています。もし既存のスラッグと同じ名前を付けようとすると、WordPressは自動的に末尾に「-2」「-3」といった連番を付けて重複を防ぎます。
意図せずスラッグが重複していないか、定期的に確認することも大切です。特にカテゴリー名と固定ページ名などは、同じテーマで作成すると重複しやすいので注意しましょう。
WordPressスラッグに関するFAQ(よくある質問)
最後に、スラッグに関して初心者の方が抱きがちな質問とその回答をまとめました。
Q1: スラッグは日本語でも問題ない?
A1: 技術的には問題ありませんが、SEOやユーザビリティの観点からは強く非推奨です。URLがエンコードされて非常に長くなり、ユーザーに不信感を与えたり、SNSでの共有に適さなかったりします。特別な理由がない限り、半角英数字(英語またはローマ字)で設定しましょう。
Q2: スラッグを決める良い翻訳ツールはありますか?
A2: はい、いくつか便利なツールがあります。Google翻訳やDeepLなどの高精度な翻訳ツールで、記事タイトルを英語に翻訳し、それを元にスラッグを作成するのがおすすめです。その際、不自然な翻訳になっていないかを確認し、簡潔な単語に調整すると良いでしょう。
Q3: 一度決めたスラッグは変更しない方が良い?
A3: 理想は、公開前に最適なスラッグを設定し、その後は変更しないことです。しかし、どうしても変更が必要な場合は、必ず「301リダイレクト設定」をセットで行ってください。これを怠ると、SEO評価を失う大きなリスクがあります。
Q4: カテゴリーのスラッグと投稿のスラッグは同じでも良い?
A4: WordPressの仕組み上、異なる種類のページ(例:カテゴリーと投稿)で同じスラッグを使用することは可能ですが、ユーザーの混乱を招く可能性があるため、できるだけユニークなスラッグを設定することをおすすめします。例えば、カテゴリーのスラッグを seo
とした場合、投稿記事のスラッグは seo-writing-point
のように、より具体的にすると良いでしょう。
まとめ:最適なスラッグ設定でWordPressサイトの価値を高めよう
今回は、WordPressのスラッグについて、その基本的な意味からSEOへの影響、具体的な設定方法、そして変更時のリスク管理まで、網羅的に解説しました。
スラッグは、URLを構成する単なる一部品ではありません。ユーザーと検索エンジンの双方にとっての道しるべとなる、非常に重要な要素です。この記事で解説したルールと手順に沿ってスラッグを一つひとつ丁寧に設定していくことが、あなたのWordPressサイトの信頼性と価値を高めるための確実な一歩となります。
もし、「記事の内容は理解できたけど、自分で設定するのは不安…」「過去記事のスラッグ変更とリダイレクト設定をまとめてお願いしたい」「そもそも、SEOに強いWordPressサイトの作り方がわからない」といったお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。500件以上のWordPressサイト制作を手がけてきた経験豊富なプロとして、あなたのサイトの集客と成果を最大化するお手伝いをさせていただきます。